児童手当、年金、医療費のチェック…想像以上に便利なマイナンバーカードの活用術

なかなか普及しないと報じられていたマイナンバーカード。しかし、総務省「マイナンバーカード交付状況について」によると、2023年5月7日時点のマイナンバーカードの有効申請受付数は累計9670万9475件。人口の約76.8%がマイナンバーカードの手続きを終えています。1億件ももう目の前ですね。

ただ、マイナンバーカードを上手に活用している人はまだ少ないのではないでしょうか。もしも「マイナポイントをもらっただけ」ならもったいない!マイナンバーカードを使うと想像以上に生活が便利になりますので、ぜひ活用しましょう。今回は、マイナンバーカードでできることをまとめて紹介します。


1. マイナンバー(個人番号)の証明

マイナンバーカードには、氏名・住所・生年月日・性別・顔写真といった個人情報に加えて、マイナンバー(個人番号)が記載されています。マイナンバーは、日本に住民票を持っている人に割り振られる12桁の数字です。マイナンバーは基本的に生涯変わることはなく、番号もランダムですので、家族でもまったく別の番号になります。

マイナンバーは国や自治体などが社会保障・税金・災害対策の分野で利用します。たとえば、年金や雇用保険・医療保険のような社会保険の手続き、児童手当や生活保護といった給付の手続き、確定申告などの税金に関わる手続きに使われます。これらの手続きの際には、マイナンバーを記載することが求められます。マイナンバーカードがあれば、マイナンバーをすぐに確認できます。

なお、自分のマイナンバーがわからず、マイナンバーカードも通知カードもない場合には、市区町村窓口でマイナンバー入りの住民票を取得することでマイナンバーを確認できます。

2. 1枚でマイナンバーの提示と本人確認ができる

マイナンバーカードは、マイナンバーの提示と本人確認が同時にできる唯一のカードです。
たとえば、証券会社に口座開設する際、本人確認書類としてマイナンバーカードを提出すると、本人確認だけでなくマイナンバーの登録も自動的に完了するので、手間がかかりません。もちろん、マイナンバーの提示がいらない手続きでも、マイナンバーカードは本人確認書類として使えます。

3. 「コンビニ交付」で公的な証明書が取得できる

マイナンバーカードがあれば、コンビニのマルチコピー機などで公的な証明書が取得できる「コンビニ交付」が利用できます。
コンビニ交付で取得できる書類は、次のとおりです。

●お住まいの市区町村の証明書
・住民票の写し
・住民票記載事項証明書
・印鑑登録証明書
・各種税証明書
・戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
・戸籍の附票の写し

●本籍地の証明書(お住まいの市区町村と本籍地の市区町村が異なる方向け)
・戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
・戸籍の附票の写し

●その他
・新型コロナウイルス感染症予防接種証明書

利用時間は毎日6:30から23:00まで、土日祝日でも証明書を取得できるので「平日や日中は忙しくて自治体の窓口に行くのが難しい」という方に便利です。また、各自治体の窓口などで取得するより100円安いのもメリット。自治体によっては、期間限定ながら10円で証明書を発行しているところもあります。

4. 健康保険証として利用できる

2021年10月から、医療機関や薬局の窓口でマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになっています。先のマイナポイントの獲得条件のひとつに「健康保険証としての利用申込み」(7,500円分)があったので、利用申込みだけした方もいるでしょう。

マイナンバーカードを健康保険証にする「マイナ保険証」を使うと、医療機関にあるカードリーダーで手続きするだけで簡単に受診ができ、従来の健康保険証を利用するよりも医療費が安く済みます。2024年秋には、従来の健康保険証が廃止され、マイナンバーカードに一本化される予定ですので、マイナ保険証を利用できるようにしておくといいでしょう。

5. 確定申告が簡単にできる

1年間の所得から税金を計算して納める確定申告。「e-Tax」を利用すれば、ネットで確定申告ができます。このとき、マイナンバーカードを利用して申告できる「マイナンバーカード方式」を利用すれば、事前にID・パスワードを登録することなく確定申告ができます。

マイナンバーカード方式の確定申告では、本人確認書類を提示したり写しを提出したりする必要がなくせます。また、マイナンバーカード取得者は、政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」を利用することができます。マイナポータルと連携することで、医療費控除やふるさと納税の情報なども簡単に申告できます。確定申告をしてから還付金が還付されるまでの期間も、通常1か月半程度かかるところ、e-Taxならば3週間程度で済みます。

6. 児童手当の申請など、行政手続きがオンラインでできる

児童手当の申請は、原則として子どもの出生後15日以内に行う必要があります(15日を過ぎると支給されない月が出てくる場合があります)。ただ、産後は何かと忙しく、手続きができない場合もあるでしょう。マイナポータルを利用すれば、児童手当の受給に関わる申請をオンラインでできますので、窓口に足を運ぶ負担をなくせます。

7. 年金記録の確認ができる

マイナポータルとねんきんネットを連携することで、ねんきんネットで自分の年金情報を見ることができます。ねんきんネットでは、これまでの年金の加入記録やもらえる年金の見込み額、将来の年金額の試算などが手軽にできます。また、毎年誕生日ごろに届くねんきん定期便の電子版を閲覧したり、ダウンロードしたりできます。

8. 引っ越しやパスポートの申請も手軽に

2023年2月6日にスタートした「引越し手続オンラインサービス」では、引越しをするときの転出届の提出や転入手続の来庁予約が可能。利用すると、転出元の自治体の来庁が不要になります。また、2023年3月27日からは、パスポートの更新手続きがマイナポータルからオンラインで申請できるようになりました。また、一部の府県ではパスポートの申請や氏名変更、紛失届などの手続きもできます。


マイナンバーカードが使えるさまざまなサービスを紹介してきました。想像以上に便利なことがお分かりいただけたのではないでしょうか。今後、2026年には運転免許証とも一体化されるなど、マイナンバーカードの活用の場面はさらに広がるでしょう。ぜひマイナンバーカードを使いこなしていきましょう。

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