U-20日本代表、今年中に森保監督のA代表へ招集されても驚かない3名のタレント

U-20ワールドカップは残念ながらグループステージ敗退に終わってしまったU-20日本代表。

初戦で難敵セネガルを下しながらコロンビアとイスラエルに2試合連続の逆転負けと、非常に悔しい形で大会を去ることになった。

とはいえ、当然のことながらここは最終目的地ではなく、来年のパリ五輪を含め、すべては3年後のワールドカップまでの過程だ。

そこで、今大会出場メンバーの中で、今年2023年中に森保一監督率いる日本代表のA代表へ招集されても驚かない選手を3名ピックアップした。

松木玖生

今大会の日本代表もU20アジアカップ同様、「松木玖生のチーム」だった。

キャプテンとして3試合にフル出場し、攻守で日本をけん引。チームとしてなかなか得点を奪えないなか、セネガル戦の1ゴール、イスラエル戦の1アシストは松木の真骨頂が表れたプレーだった。

U-20の代表活動において、いわゆるボランチとして生きることの難しさを痛感したはずだ。キックのパワーと精度自体はチーム屈指だが、ボランチには味方に「プレーをさせる」ための細かい技術が必要になる。

一方で、ゴール近くのプレーでは改めて非凡さを見せた。タイプは異なるものの、ピッチのあらゆる場所に顔を出しながらゴールを狙うドイツ代表のトーマス・ミュラーのような選手になることが松木の生きる道ではないか。

魅力的なメンタリティを持つ彼だからこそ、課題と進むべき道が見えてきた今の段階で一度A代表へ招集することは大きなプラスになると感じる。

高井幸大

今大会の日本で最大のサプライズだった高井の右サイドバック起用。ほぼやったことのないポジションだけあり、初戦のセネガル戦から明らかに慣れていない様子が見てとれた。

それにしてはプレーが大人しくなかったのは、彼の持つチャレンジ精神が故だろう。イスラエル戦終盤は疲労の色が明らかで相手の決勝弾を許したが、中2日の3試合にフル出場できたことは大きな財産となるはずだ。

イタリア代表のパオロ・マルディーニやジョルジョ・キエッリーニ、スペイン代表のセルヒオ・ラモスなどは、個としての能力の高さもあってサイドバックで活躍したのち、センターバックとして大成した。

ぶっつけ本番だった分高井のサイドバックには粗が目立ったが、その中で見せたパスの技術やボールを運ぶ力、見ている場所などはいずれもセンターバックでも生きるものだった。

身長192cmは吉田麻也(189cm)や冨安健洋(188cm)と比べても一つ上のクラス。日本代表としてこの18歳のポテンシャルを生かさない手はない。

髙橋仁胡

10年前は長友佑都、内田篤人、酒井宏樹、酒井高徳がしのぎを削っていた日本代表のサイドバック。

彼らの後継者がいまだに現れないなか、彗星のごとく登場したのがこのスペイン生まれの17歳だ。2022年にU-19日本代表へ初招集され、U20アジアカップを経て今大会では3試合すべてに先発した。

バルサのトップチームで活躍する19歳のスペイン代表DFアレックス・バルデのように前にかかわるプレーを得意としており、一方でアルゼンチンの血を感じさせる守備での激しさを今大会でも見せてくれた。

バルセロナでアルゼンチン人の父親と日本人の母親の間に生まれた髙橋。スペイン、アルゼンチン、そして日本の国籍を選ぶことができる立場であり、今のところは日本を優先をする姿勢を見せているが今後どうなるかは分からない。

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上述のようにサイドバック、特に左サイドバックが不足する日本にとって髙橋は貴重な人材。今年8月16日に18歳の誕生日を迎える彼を、早いうちにA代表へ招集するプランは間違いなく持っているはずだ。

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