30日午後1時過ぎ、京都市と京都府亀岡市を結ぶ嵯峨野トロッコ列車が運行中に故障し、線路上で立ち往生した。乗客約300人は列車から線路に降り、約700メートル離れたトロッコ保津峡駅(西京区)へ歩いて避難した。けが人はなかった。
嵯峨野観光鉄道や市消防局によると、列車は亀岡方面行きで、トロッコ保津峡駅を出発後、鵜飼第1トンネルに差しかかったところで停車した。足の不自由な約10人は軌道自転車で移動するなどしたが、午後4時半ごろにまでに全ての乗客が避難を終え、近くのJR保津峡駅から京都市内に戻るなどしたという。このトラブルで同鉄道は上下線とも終日運休した。
列車には、外国人観光客や修学旅行生らが乗っていた。千葉県柏市から訪れた80歳と79歳の夫妻は「シューと徐々にスピードが落ちて動かなくなった。1時間半ほど車内にいたが、みんな冷静に待っていた」と振り返った。東京都の60代女性は「停車した後の時間が長く、理由の説明もなくどうなるのか不安だった」と話した。