長崎市の軍艦島クルーズの運航会社 初のチャーター専用船 「ハレの日」消費や夜間観光に照準

トリトンのオープンデッキで乾杯する関係者=長崎港

 長崎県長崎市・端島への周遊クルーズ、「軍艦島コンシェルジュ」を運営する船会社「ユニバーサルワーカーズ」(同市、久遠龍史社長)が、チャーター専用の新しい旅客船「Triton(トリトン)」を運航する。回復が見込まれるインバウンド(訪日客)や国内富裕層の夜間観光消費に照準を合わせ、夏ごろの運航開始を目指す。
 全長16.5メートル、19トン、定員54人。同社が中古船を購入し改装した。2階建ての1階部分に約40席の特注シートを設置。前方にはテーブル付きの特別席も設けた。2階部分は、オープンデッキで船上パーティーの利用を想定。空調を完備し、季節問わず利用できる。船体にジャイロスタビライザーを搭載し、横揺れを制御している。
 同社が、チャーターに特化した船を本格的に売り出すのは初めて。結婚式や成人祝い、ビジネスパーティー、同窓会など「ハレの日」消費の高付加価値化により、新たな客層を取り込む考えだ。軍艦島を含む世界文化遺産の周遊や長崎港内の花火大会と合わせた夜景観賞など15万~40万円の六つのモデルコースも設定した。
 28日に内覧会があり、観光関係者や旅行会社向けに披露された。今後、ホテルや旅行事業者向けのモニターツアーを重ね、営業運航を目指す。久遠社長は「コロナ禍からの回復を機に、これまで不十分だった夜間消費やハイクラス層に訴求する『未来の観光』としてアピールしていきたい」と意気込んだ。

ユニバーサルワーカーズの新しいチャーター船「トリトン」=長崎市常盤町、常盤ターミナル桟橋

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