味多彩「キノコ肉」新たな代替肉に、環境により優しく 老舗酒造「ヤヱガキ」グループ会社が開発へ

キノコのイメージ画像(sasazaw/stock.adobe.com)

 兵庫県姫路市の老舗酒造会社「ヤヱガキ酒造」のグループ会社「ヤヱガキ醗酵技研」は31日、オランダの研究機関とともに、タンパク質が豊富なキノコの菌糸体を原料とする代替肉の研究開発を始めると発表した。現在は大豆を使った代替肉が主流だが、ヤヱガキの培養技術などを生かし、より環境に負荷をかけずにおいしく食べられる「キノコ肉」を目指す。

 ヤヱガキ醗酵技研はこうじ菌やキノコ菌の発酵、培養技術の研究開発を進め、健康食品の原料などを製造販売している。近年は、食の安全保障や畜産業の脱炭素化につながる代替肉に着目。2年前から、キノコの下に根のように広がる菌糸体を使う研究に取り組んできた。

 同社は数百種類のキノコ菌糸体の中から、味やタンパク質含量などで代替肉に適した種類を発見。今年5月上旬に代替肉の加工技術を持つオランダの「NIZO Food Research社」と共同研究することで合意した。

 「キノコ肉」は、国内でまかなえる原料を使って短期間で効率良く培養できる上、味のバリエーションが多いといった特徴があるという。ヤヱガキ醗酵技研の担当者は「年内にも製造手法を開発し、来年の製品化を目指したい」としている。(石沢菜々子)

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