リニア新幹線の建設促進に向けて取り組む「期成同盟会」の総会に川勝知事が出席し、静岡県の立場を説明した。総会では静岡空港に 東海道新幹線の新駅を作る案を検討していくことも提案された。
(増田大記 記者)
「川勝知事が総会の開かれている会場に入っていきます」
この総会は、リニア新幹線沿線の10都府県で組織する「期成同盟会」が年に一度開催しているもので、各都府県の知事や国交省、JR東海などの関係者が出席して行われた。静岡県は、2022年7月「リニア建設促進の立場を明確にしたい」として期成同盟会に加盟、総会への出席は今回が初となる。リニア新幹線をめぐっては、静岡工区を除いて工事が進んでいる。30日、JR東海は、山梨県富士川町で建設を進めている高架橋を公開。3年前に着工し、高架の上部が完成した。31日の総会で川勝知事は、静岡県はリニアの建設促進に対し「一貫して賛成の立場」であると述べた上で、「大井川の水」と「工事で発生する残土」という2つの問題を抱えていると説明した。
(川勝知事)
「田代ダムの取水抑制案、並びにツバクロ沢の盛り土360万立米、藤島沢の要対策土10万立米、これを合理的に解決すれば何の支障もない」
総会では山梨県の長崎知事から、リニア建設を契機とした高速交通網の将来像が示され、その中で静岡空港に東海道新幹線の新駅設置を検討する案も出た。
(山梨県 長崎知事)
「大都市間を結ぶリニア中央新幹線や東海道新幹線の各駅と高速道路を結節することで、高速鉄道利用のメリットが各地域に広く波及する」「空港の結節を加えることで、国外や国内遠方地域へ広域にメリットが波及することが可能になる」「特に国際空港と高速鉄道が結節する静岡空港新駅については、これまでにない画期的な駅になると考えています」
その後、川勝知事は、大村愛知県知事らと国土交通省を訪れ、要望書を提出した。総会で、静岡空港新駅について話が出たことを聞くと…。
(川勝知事)
「空港新駅の可能性の話は本当にありがたい、ただ空港自体も大井川の水に頼っている」「たくさんの水を使っている会社がある、地下水を含めて水質が悪くなると困るところもある」「水の問題と空港新駅の問題は関係している、大村会長のリーダーシップのもと、研究会が建設的に行われることを願う」
静岡空港新駅の検討をきっかけにリニア工事は進展するのか、今後が注目される。