さよならスマスイ、半世紀以上の歴史に幕 最終日にファンら別れ、また会う日まで 来年6月に新水族館へ

須磨海浜水族園の閉園セレモニーで来場者におじぎをするスタッフら=31日午後7時半、神戸市須磨区若宮町1(撮影・斎藤雅志)

 須磨海浜公園の再整備事業で建て替えられる神戸市立須磨海浜水族園(神戸市須磨区)は31日、本館部分の営業を終えて全施設が閉園した。開園前には100人超の行列ができ、ファンや地元の子どもたちが別れを告げた。

 同園は1987年、前身の須磨水族館をリニューアルして誕生した。水量約1200トンの「波の大水槽」が目を引いたほか、現在も世界最高齢を更新する淡水魚「ロングノーズガー」などのユニークな生き物も見る人の心をつかんだ。

 最終日は、思い出を振り返るイベント「スマスイラストデー」が開かれ、95年の阪神・淡路大震災後に園内の一部を借りて授業を実施した市立鷹取中学校(同区)の吹奏楽部員約50人が4曲を披露した。

 ベテラン職員のトークショーや飼育員の紹介もあり、来園者と最後のひとときを分かち合った。

 総支配人の中垣内浩さん(54)は「スマスイは前身を含めて半世紀以上の歴史に終止符を打つ。残念だが、須磨海浜公園は新たな時代を迎える。来年、新しい施設で再会できるのが楽しみ」と声を震わせた。

 水族園の跡地で、西日本で唯一シャチを展示する新水族館「神戸須磨シーワールド」は、来年6月の開業を予定している。(千葉翔大、小野坂海斗)

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