横浜最古級の洋風建築「旧長濱検疫所一号停留所」 海の公園に移築へ 野口英世ともゆかり

海の公園への移築が決まった「旧長濱検疫所一号停留所」(横浜検疫所のホームページより)

 横浜最古級の洋風建築で、国の登録有形文化財になっている厚生労働省横浜検疫所の「旧長濱検疫所一号停留所」(横浜市金沢区)が、約2キロ先の海の公園(同)に移築されることが決まった。施設は感染症研究で功績を立てた野口英世ともゆかりがあり、「検疫の歴史遺産」として新たな地に引き継がれる。

 横浜検疫所は2023年度中に、同市中区に新設された合同庁舎に移転する。一号停留所は同検疫所輸入食品・検疫検査センターの敷地内にあるため、国と市が保存方法について協議を重ねていた。

 その結果、国は7月にも解体工事に着手する。建築資材の一部は海の公園に運び、外観などを可能な限り再現する形で移築。耐震補強も実施し、来春の完成を目指す。一連の費用は国が負担し、市は建物の寄付を受けて維持管理を担う。

 市政策局の担当者は「市民に開かれた施設として活用したい」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社