プレミアリーグの下部組織を「中退」し大ブレイクした7名

現在多くのスター選手が集まるコンペティションとなったイングランド・プレミアリーグ。その一方で、アカデミー出身の若手がプレーできる枠は少なくなっている。

今回は『Squawka』から「プレミアリーグのアカデミーを中退してからブレイクした選手たち」をご紹介する。

ハリー・ケイン

現所属:トッテナム・ホットスパー

アカデミー時代に所属していたクラブ:アーセナル

所属していたシーズン:2001~2002

非常に有名な話の一つであるが、ハリー・ケインは元々トッテナム・ホットスパーのアカデミーでずっと育ってきた選手ではない。彼の家族は全員トッテナムのファンであり、グラウンドからわずか15分の場所に実家があったにもかかわらずだ。

8歳の時にアーセナルのアカデミーに加入したものの、わずか1年で放出された。そのときには「ぽっちゃりしていて運動能力が低い」と評価されたという。その後トッテナムのトライアルで落選し、ワトフォードのアカデミーに加入した後に「トッテナムとの練習試合で活躍した」ことで引き抜かれたのだ。

ついに愛するクラブに加入できた彼であるが、それでも最初は体も小さく速くもなかったため目立たないMFだったものの、U-15レベルで急激な成長を遂げたとか。

デクラン・ライス

現所属:ウェストハム・ユナイテッド

アカデミー時代に所属していたクラブ:チェルシー

所属していたシーズン:2006~2014

ロンドン生まれのデクラン・ライス。少年時代からチェルシーのアカデミーで育ったが、突如14歳で解雇されてしまう。父の証言によれば、デクランはあまりのショックにしばらく引きこもってしまったとのこと。

ただその後「チェルシーを見返してやる」と一念発起し、ウェストハムのアカデミーに加入。その決意と粘り腰で急激な成長を遂げ、次年度にはプロ契約を結び、2017年にはトップチームに初選出。それからすぐにレギュラーを奪取した。

この経歴もあるため、同じチェルシーのチームメイトとして長年ともに育っていたメイソン・マウントとは幼馴染の親友という間柄である。

エリック・ダイアー

現所属:トッテナム・ホットスパー

アカデミー時代に所属していたクラブ:エヴァートン

所属していたシーズン:2011~2012

珍しくポルトガルリーグでデビューした変わり種のイングランド人選手として知られているエリック・ダイアーであるが、実はエヴァートンのアカデミーに所属していたことがある。

子供の頃に移住したポルトガルでスポルティングCPのアカデミーの中心選手となったが、2011年にエヴァートンへと移った。16歳のエリック・ダイアーはそこで18ヶ月を過ごし、U-18プレミアリーグの優勝も経験したものの、そのままスポルティングへと戻っていった。

そして2012年夏にスポルティングでデビューし、2年後にはトッテナム・ホットスパーに引き抜かれることになった。最終ラインとボランチのあらゆる場所をこなす応用力で非常に重宝される存在に。

エベレチ・エゼ

現所属:クリスタル・パレス

アカデミー時代に所属していたクラブ:アーセナル、フラム

所属していたシーズン:2006~2011

今回のインターナショナルマッチウィークでイングランド代表に選出されている24歳のアタッカー。ナイジェリア人の両親の下、ロンドンで生まれた人物だ。

彼はアーセナルでサッカー選手を目指したものの13歳で放出され、フラム、レディング、そしてミルウォールのアカデミーに所属したものの、2016年に退団。大学で勉強しながらQPRでデビューした。

そして2020年にクリスタル・パレスに引き抜かれ、初のプレミアリーグでレギュラーを奪取。次年度にはイングランド代表に初選出され、さらに今季は38試合で10ゴールを決めるなど大ブレイクを果たした。

ジェイドン・サンチョ

現所属:マンチェスター・ユナイテッド

アカデミー時代に所属していたクラブ:マンチェスター・シティ

所属していたシーズン:2015~2017

十分に知られている事実であるため説明の必要もないが、ジェイドン・サンチョはマンチェスター・シティの下部組織で期待された選手である。ロンドンで育ち、ワトフォードのアカデミーでプレーし、リース・ネルソンとは友達で、チェルシーのファンだった。

14歳の時にマンチェスター・シティのスカウトを受けてアカデミーに加入したものの、契約の内容でクラブと揉めたことがきっかけで関係がこじれ、2017年夏に喧嘩別れすることに。

その後彼はドイツに渡ってボルシア・ドルトムントに加入し、そこで大ブレイク。2021年にマンチェスター・ユナイテッドへと引き抜かれている。

ジャマル・ムシアラ

現所属:バイエルン

アカデミー時代に所属していたクラブ:サウサンプトン、チェルシー

所属していたシーズン:2010~2011、2011~2019

サウサンプトンはイングランドでも屈指の育成能力を誇っているクラブだ。そのアカデミーに所属していた経験を持っているのが、ドイツ代表のジャマル・ムシアラだ。

7歳でイングランドへと移住した彼はサウサンプトンに加入し、そして1年後にはチェルシーへ。長い間イングランドの年代別代表チームでプレーした後、16歳でドイツへと渡ることを決めた。

そして2020年にトップチームで最年少デビュー記録を更新。今季は33試合で12ゴールと中心的な存在に成長し、ワールドカップでもドイツ代表の中心選手となった。

ペドロ・ゴンサウヴェス「ポテ」

現所属:スポルティングCP

アカデミー時代に所属していたクラブ:ウォルヴァーハンプトン

所属していたシーズン:2017~2019

現在スポルティングCPで守田英正とともにプレーしている24歳のアタッカー、ペドロ・ゴンサウヴェス。子供の頃はぽっちゃりして小さかったことから「ポテ」と呼ばれるようになった。

シャヴェス、ブラガ、バレンシアのユースで活躍したあと、2017年にウォルヴァーハンプトンのアカデミーに移籍。イングランドでもすぐに結果を残したものの、2年後にはホームシックのためにポルトガルに戻ることになった。

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そしてファマリカンでブレイクした後スポルティングに引き抜かれ、2020-21シーズンにはなんと23ゴールを奪取。今季も33試合で15ゴールと活躍しており、ビッグクラブ移籍が噂されている。

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