未利用イワシ薄焼き食べて 射水の会社開発、カルシウム摂取しやすく

未利用魚のイワシで作った新商品「まるごとぜんぶいわし」=射水市本町

  ●「丈夫な骨の維持に」

 射水市の水産加工物販売「IMATO」は31日までに、大量の水揚げや規格外などが要因で値が付きにくい未利用魚を活用した新商品「まるごとぜんぶいわし」を開発した。同社では未利用魚の商品開発に力を入れており、カルシウムやビタミンDを摂取できるイワシを誰でも食べやすいように薄焼きのせんべいに加工した。多くの人に食べてもらうことで丈夫な骨の維持に役立ててもらう。

 イワシはDHAやEPAなどの必須脂肪酸、カルシウムやビタミンDなど骨の形成に大きく関わる成分が含まれるが、高齢者は歯が悪いと骨が多いイワシを嫌がる傾向にあるという。

 IMATOの東海勝久社長は栄養が豊富なイワシを多くの人に気軽に味わってほしいとの思いで鳥取県の事業所の協力を得て開発。薄焼きにし、骨までやわらかく仕上げた。保存料や着色料などの食品添加物が未使用のため、幅広い年代層が安心して食べることができる。

 東海社長は漁師でもあり、未利用魚を加工し、全国に発信して消費量を増やせば、少しでも浜値が上がると考え、3月には未利用魚と廃棄されていた梅干しの漬け汁を合わせた「梅魚」を販売。「さっぱりと食べられる」と観光客を中心に人気を集めている。

 まるごとぜんぶいわしは初回は一袋(約15枚入り)千円で、ホームページなどで購入できる。東海社長は「旬を外れた魚などに価値を付けることができるように今後も取り組みを進めていきたい」と話した。

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