さよなら旧サンルート 小松代表するホテル、開業38年

営業最終日を迎えたホテルビナリオ小松セントレ=小松市日の出町4丁目

  ●夜まで会合、名残惜しむ

 小松市中心部で最大のコンベンション施設を備えた小松を代表する宿泊施設ホテルビナリオ小松セントレ(旧ホテルサンルート小松)が31日、38年間の営業に幕を下ろした。市内の大規模な宴会・パーティーの約7割が開催されたというホテルの閉館に、営業最終日となったこの日も夜まで会合が開かれ、多くの市民が名残を惜しんだ。

 小松市日の出町4丁目にあるホテルは、1985(昭和60)年にオープン、88年に現在のHifリゾートが経営を引き継いだ。皇族が公務で訪れた際にたびたび宿泊し、定宿として利用する県外客も少なくなかった。

 70の客室と大中小の宴会場、レストラン、チャペルなどを備え、市内の団体の会合や結婚式などに使われてきた。今年に入って閉鎖が公表されて以降も市民、企業から予約が入り、5月は連日宴会などが開かれた。

 Hifリゾートは、ホテルの料理人を今後、運営するサイエンスヒルズこまつ2階のレストランに移して腕を振るってもらうほか、調度品に関しては、町内会や各種団体に譲るという。

 小松駅西にある系列のホテルグランビナリオ小松は営業を続ける。中嶋浩社長は「皆さまに長く愛されたホテルで本当に有り難かった。引き続き他の施設を利用してほしい」と感謝した。

  ●「愛着ありさびしい」 最後は町内会長大会

 ホテルの営業最後の会合として、小松市町内会長大会が開かれ、市町内会連合会の村西卓会長は「小松で立派な会合といえばサンルートだった。愛着があるし、料理もよかったのでさびしい」と振り返った。

 町内会長大会では32人1団体が表彰、感謝状贈呈で顕彰され、約130人が住民福祉向上を誓った。村西会長があいさつ、宮橋勝栄市長、新田寛之市議会議長が祝辞、藤井正行さんが謝辞を述べた。市防災エキスパートの高野明美さんが災害時の注意点を説いた。

 ◇町内会長功労者表彰▽市長表彰 柿田外代次、亀田学、元田昭彦、藤田重隆、藤井正行、二木秀樹、北野茂明、松崎政彦▽会長表彰 矢田俊治、池田辰雄、能登宏和、江下和寿、松井重樹、深田博智、高田博昌◇町内会活動功労者感謝状▽会長感謝状 中江潔、中誠治、南文江、奥村明子、清水伸一、髙澤昭夫、小林充子、金平拓也、福田和也、寺西弘道、益田忠夫、土居尚子、千代守義、池田ますみ、中出正次、園弘幸、御畠太鼓保存会、西出秀雄

最後の会合として開催された小松市町内会長大会

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