“緑の宝石”福井梅たわわ…6月1日から出荷 産地の福井県若狭町で収穫進む

初出荷を前に次々と収穫される「剣先」=5月31日、福井県若狭町田井

 福井県特産品「福井梅」の出荷が6月1日から始まるのを前に、主要産地の福井県若狭町で収穫が進んでいる。同町田井の梅園では5月31日、農家がたわわに育った実のもぎとり作業に追われていた。

 福井梅は江戸時代の天保年間(1830~44年)に若狭町の伊良積で発祥したと伝わり、明治時代に栽培が本格化した。

 梅酒などに適した「剣先」や肉厚で皮が薄い「紅映」など4品種あり、近年は600~千トンほどを出荷。うち8割を同町産が占める。

 JA福井県嶺南営農経済センターによると、今年は前年実績の763トンを上回る1200トンの出荷を見込んでいる。開花時期に好天が続いたことなどが要因という。

 若狭町田井の「山田農園」ではこの日、1日から出荷される剣先約800キロを収穫。20~70代の社員ら6人が次々と実をもぎ、かごに入れていった。

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 7日には梅干し作りに適した紅映の出荷が始まる。代表の山田豊さん(61)は「豊作となったが、5月に若狭町内で降ったひょうで一部傷が付いたのは残念だった。それでも、種が小さく果肉が厚い福井梅本来の質は確か。梅酒や梅干しで多くの人に楽しんでほしい」と話していた。

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