阪急神戸三宮駅周辺地区、都市景観大賞の特別賞に 空間部門、新旧の調和や回遊性向上に高評価

都市景観大賞の都市空間部門で特別賞に輝いた阪急神戸三宮駅周辺地区=神戸市中央区(阪急阪神不動産提供)

 良質で優れた都市景観を表彰する2023年度「都市景観大賞」の都市空間部門で、準グランプリに当たる特別賞に、神戸市中央区の阪急神戸三宮駅周辺地区が選ばれた。阪神・淡路大震災で損壊し、解体された旧駅ビルの意匠を受け継いだ神戸三宮阪急ビルと、隣接するサンキタ広場、サンキタ通りで構成。新旧の調和を図り、歩行者の回遊性を高めた官民一体の取り組みが高く評価された。

 同大賞は、まちづくりや都市計画などの団体でつくる実行委員会が主催し、国土交通省が後援する。

 同ビルは阪急電鉄(大阪市)が21年4月に開業。低層部に円筒形の塔やアーチ状の窓を採用し、旧神戸阪急ビル東館のデザインを継承した。

 神戸市が整備した広場と通りは、神戸三宮阪急ビルから続く石畳舗装で統一。サンキタ通りは車両の通行を規制し、同社と連携して飲食店のオープンテラスを設け、にぎわいを生み出した。ビル南側はネオン風の照明を配し、昭和風情を残すJR高架下との対比を演出する。

 審査委員長を務めた陣内秀信法政大特任教授は、大賞にも匹敵する価値があると同地区を評価し「歴史を刻んだ都市空間再生の取り組みの一つの金字塔」とたたえた。(大島光貴)

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