ホタルイカ過去15年最少 滑川漁港漁獲量、3~5月で70トン

解禁初日に水揚げされたホタルイカ(手前)。全体で59匹と記録的な不漁になった=3月1日、滑川市の滑川漁港

 滑川市の水野達夫市長は1日、市役所で会見し、3月から不漁が続くホタルイカについて、滑川漁港の漁獲量がシーズン終盤の現時点で約70トンにとどまることを明らかにした。過去15年で年間漁獲量が最少だった19年の130.6トンを大きく下回る見通し。地元の漁業関係者からは「こんなに少なくなるとは思っていなかった。ホタルイカ以外の水揚げに期待するしかない」と嘆く声が上がっている。

 富山湾のホタルイカ漁は3月1日に解禁され、初日の漁獲量は滑川漁港で59匹(約500グラム)のみだった。月別では、3月が17.5トン、4月が44.2トン、5月は8.4トンで、今月中旬ごろまで漁は続く。

 年間の漁獲量は過去15年間で比較すると、11年の726.5トンが最も多い。19年は最少だったが、20年が518.5トン、21年が366.2トン、22年は386.2トンと推移していた。平均463.6トンに対し、今年は約15%に落ち込むとみられる。

 県水産研究所は、水温や海流の変化が今季の不漁に影響している可能性があるとみて、原因の調査を進めている。

 

  ●19日間で1048人 ほたるいか海上観光

 ホタルイカ漁を観光船から見学できる「ほたるいか海上観光」について、今季は予定していた37日間のうち、19日間(前年24日間)の出航で、計1048人(同1082人)が乗船したと説明した。出航率は51.4%になり、前年の63.1%を下回ったが、例年並みの割合だった。

 海上観光は4月1日~5月7日の期間限定企画で、定員は4月28日までが2隻で70人、同29日からは1隻で35人だった。乗船者の内訳は県内155人(14.8%)、県外825人(78.7%)、イタリアなどの海外68人(6.5%)となっている。

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