米高校ジャズ、行列先導 金沢百万石まつり2日開幕

百万石行列で先導隊を務める米ハンブルグ高の一行=金沢市役所

  ●姉妹都市縁に参加 バファローから18年ぶり 

 米ニューヨーク州バファロー市近郊にある高校のジャズバンドが3日、金沢百万石まつり(北國新聞社特別協力)のメイン行事である百万石行列に登場する。金沢とバファローが姉妹都市である縁から2005年にも一度参加しており、18年ぶりの出演となる。コロナ禍で停滞した国際交流の復活と発展を願い、パレードの先導隊として当日の盛り上げに一役買う。

 行列に出演するのは米ハンブルグ高のジャズバンドで、1日はメンバー21人が金沢市役所を訪れ、村山卓市長と懇談した。団長を務める音楽教諭ラリー・デュビルさん(54)は「百万石まつりは金沢市民にとってすごく大事なもの。米国発祥のジャズで日本の文化に対する尊敬の気持ちを表したい」と述べた。

 18年前も今回も、行列に参加するきっかけはデュビルさんがつくった。

 1990年代前半、東京で日本のマリンバ奏者に師事し、その後、帰国して教師として働いていたデュビルさんは「生徒たちに世界の多様な文化に触れてほしい」と考えるようになった。

 2003年、バファローの姉妹都市である金沢市にメールで交流を打診。これを市側が受け入れ、05年の百万石行列に特別参加することになり、激しい雨の中で演奏を披露した。デュビルさんは「市民は情熱にあふれていた。太鼓演奏や伝統的な衣装もよく覚えている」と懐かしむ。

 以降、同校のバンドは金沢ジュニアジャズオーケストラ「JAZZ-21」と互いに行き来するなど交流を続けたが、まつりへの出演は途絶えた。昨年秋、村山市長が姉妹都市60周年を記念してバファローを訪問した際、デュビルさんが「来年の百万石まつりにバンドを派遣したい」と打診し、久しぶりの参加が決まった。

  ●4年ぶり通常開催

 金沢百万石まつりは2日、3日間の日程で開幕する。百万石行列では歌舞伎俳優の市川右團次(うだんじ)さんが利家公役、俳優の紺野まひるさんがお松の方役を務める。新型コロナの5類移行を受けて4年ぶりの通常開催となり、一斉演技の回数は昨年の4回から5回に増える。今年から北國新聞社が特別協力する。

  ●子ども提灯行列、2日午前に開催判断 大雨恐れ

  ●百万石行列の3日、次第に晴れか

 まつり初日の2日は石川県内で警報級の大雨となる可能性がある。このため、同日夜に行われる特別協賛行事「子ども提灯(ちょうちん)太鼓行列」については、主催する金沢市子ども会連合会などが午前中に開催か中止かを判断する。

 百万石行列が行われる3日は曇りで、次第に晴れるとみられる。

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