元冷凍食品卸の(株)大水[茨城]と関連会社が特別清算

(株)大水(茨城県ひたちなか市、登記上:東京都練馬区)と、関連のカシマ冷食(株)(同所、登記上:同所)は4月26日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。
負債は、大水が約40億円、カシマ冷食が約4億円で、2社合計約44億円。

大水は、1963年6月に千葉県松戸市で冷凍食品の卸売を目的に創業し、勝田市(現:ひたちなか市)で設立。水産冷凍食品の製造・卸売業者として、低価格の自社開発商品を展開しながら大手商社に販路を築き、消費需要拡大も背景に、1992年6月期にはピークとなる売上高79億6062万円を計上した。
しかし、取引先の倒産による不良債権発生が相次ぎ、たびたび赤字を計上していたうえ、バブル期にひたちなか市を中心に不動産取得を活発化したことで借入負担が大きく膨らみ、資金繰りは徐々に悪化していった。このため、製造部門を別法人化するなどして水産冷凍食品の製造・卸売業から撤退。不動産事業に注力することで経営再建を図ったものの、業績への反映は乏しかった。
近年は不動産の売却を進めながら清算に向けて動き2023年1月31日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
カシマ冷食は、惣菜の製造販売を手掛け、大水とともに事業を展開していたが、同社の経営悪化と連動して業績改善は進まず、債務超過が拡大。従業員解雇や工場売却を経て長年にわたり休眠状態が続いていたが、事業再開に至らないまま、大水と同様の措置となった。

※(株)大水(TSR企業コード:280069847、法人番号:3050001006872、茨城県ひたちなか市馬渡3839-1、登記上:東京都練馬区小竹町1-11-2、設立1972(昭和47)年7月、資本金2700万円)

※カシマ冷食(株)(TSR企業コード:280118813、法人番号:8050001022031、同所、登記上:同所、設立1979(昭和54)年7月、資本金3500万円)

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