キム・ギョンウクさんを知っているだろうか。「タナカ」というキャラを演じてキャリアが一気に開けた韓国の芸人。現地では、今最も人気がある日本キャラクターという声もある。
「タナカ」とは、平成の頃の日本のホストをまねたキャラクター。昔のJ―POP、K―POPを歌いこなし、韓国で最もホットなユーチューバーの1人でもある。
長く冷え切っていたとされる日韓関係。韓国の政権交代などがあり、昨今は情勢が上向いているとされている。そんな政治の動きとはまた別に、タナカの存在は、韓国の若者の対日感情が変化していることを表している。
キム・ギョンウクさんは「私たちのような若い世代は、友達になるために理由はいらない。ただ友達になるだけだ」と話す。親世代と異なり、韓国の若者の間には日本を70年前に植民地化した“敵”ではなく、友人としてみる人が増えているようだ。
24歳の会社員、ジョン・セアさんは「日本文化のボイコットを勧めるような社会環境があったので、日本のことを語るにはためらいがあった。でも、タナカがユーチューブに現れてから、そうした空気が和らいだ」と説明した。
タナカはフォロワー数が約80万人の人気を誇り、全国コンサートツアーのチケットは、数分で売り切れてしまったほど。2018年のデビュー当時では想像できなかった大ブレークとなっている。そんな「タナカ」のファンであるチェ・インボさんは「若いころから日本文化を楽しんできた。人々に、日本に対する偏見を持たないでほしいと思う」と話した。
(ロイター/よろず~ニュース編集部)