「ひゃくまん穀」スイーツに活用 ライスプリン、金沢で試食会 JA全農いしかわ

ひゃくまん穀で作ったスイーツの試食会=金沢市内

  ●台湾加賀屋、レシピ提供

 JA全農いしかわは、石川県産ブランド米「ひゃくまん穀(ごく)」を使ったスイーツの商品化に着手した。県産米の消費拡大につなげる狙いで、台北市の旅館「日勝生加賀屋」から提供を受けたレシピを基にライスプリンを試作。2日は金沢市内で試食会が開かれ、関係者がさらなる改善の余地を探った。

 「ひゃくまん穀ライスプリン」は、炊いてから1日寝かせたご飯を生クリームや砂糖で味付けしたものと、それをゼラチンで固めて仕上げたものがある。ゼラチンで固めたプリンは能登大納言をのせ、加賀棒茶のシロップをかけて仕上げる。ひんやりした口当たりとコメの食感が特長で、冷めてもおいしいひゃくまん穀の魅力を生かした。

 レシピは、七尾市和倉温泉の「加賀屋」の台湾姉妹館である日勝生加賀屋から取り寄せ、加賀屋グループの金沢茶屋が調理を担った。同店で開かれた試食会にはJA全農いしかわの末政満県本部長らが参加し、「季節のフルーツを添えたい」「甘みが強い。もっと控えめにしてはどうか」などの意見が出された。

  ●県産ブランド米、消費拡大へ

 人口減や食生活の多様化に伴ってコメ消費量が減少する中、JA全農いしかわはひゃくまん穀の販路開拓を進めている。4月に訪台した馳浩知事らが現地で味わったひゃくまん穀のスイーツが好評だったことに着想を得て、商品化の検討を始めた。メニューの詳細や取扱店は今後調整する。

 JA全農いしかわは、日勝生加賀屋へのひゃくまん穀輸出を担っており、今年10月にはJA県中央会が台湾・台南市のJAに当たる団体「台南市農会」と友好交流協定を結ぶ。JAグループは台湾との結び付きを深めており、末政本部長は「ご飯でスイーツを作る発想はなかった。ひゃくまん穀の可能性を広げたい」と話した。

 商品化には加賀屋と北國新聞社が協力する。

© 株式会社北國新聞社