大行燈ぶつかり合い 小矢部津沢夜高祭が開幕

激しくぶつかり合う大行燈=2日午後9時40分、小矢部市清沢

 小矢部市無形民俗文化財の津沢夜高あんどん祭(まつり)は2日、同市津沢地区で開幕した。きらびやかに輝く各町の行燈(あんどん)が五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願って中心街を練り、高さ約7メートルの大行燈が激しく衝突を繰り返す「ぶつかり合い」が行われた。会場には地元住民をはじめ、県内外から多くの見物客が訪れ、新型コロナによる制限のない伝統の姿を取り戻した迫力満点の祭りに酔いしれた。

  ●4年ぶり本格開催

 時折雨が強く降る中、大中小計21基の行燈が各町内から中心街へ繰り出し、夜高太鼓と笛の囃子(はやし)と、「ヨイヤサ、ヨイヤサ」の掛け声を響かせながら通りを練り歩いた。

 呼び物のぶつかり合いは午後9時40分ごろ、同市清沢の「あんどん広場」前の路上で始まった。大行燈を継承する上町、浦町、西町、新西、清水、蓑輪、興法寺の7町が参加した。

 向かい合う2基の大行燈が激しく衝突し、曳(ひ)き手の若衆が前方に突き出た台棒を上げ下げして、相手の「つりもの」を壊し合うと、住民や見物客から大きな歓声が上がった。

 祭りは、コロナ禍で2020、21年は取りやめ、昨年はぶつかり合いを最終日に限定し、誘客は行わなかった。7町のうち西町は大行燈を出さず、小行燈の巡行のみとした。

 開会式では津沢夜高行燈保存会の沼田信良会長があいさつ、桜井森夫市長らが祝辞を述べ、4年ぶりとなる本格開催を喜び合った。

 最終日の3日は夜高太鼓ちびっこ競演会や武者絵コンクール表彰式(富山新聞社後援)が行われる。午後7時から行燈の練り回し、同9時から大行燈の「ぶつかり合い」を予定する。

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