米伝説ラッパー 大手酒造会社を人種差別で提訴 ブランドの顔を務める商品を宣伝せず

ラッパーのショーン・”ディディ”・コムズ(53)が、大手蒸留酒会社ディアジオを人種差別で訴えた。ディディのコムズ・ワインズ・アンド・スピリッツは今週初め、「数十億ドル規模の上場スピリッツ会社」であるディアジオ社が自身がブランドの顔を務めるウォッカ「シロック」とテキーラ「デレオン」シリーズを「都市」の消費者をターゲットとした「黒人のブランド」と分類し、適切な宣伝をしなかったと非難する訴状をニューヨーク州高等裁判所に提出した。

ピープル誌が入手したディディの弁護団の法廷文書には次の様に述べられている。「10年近くデレオンの売上成長を阻害してきたのはディアジオ社であり、同社は今、まだ競合ブランドのカサミゴスやドン・フリオと同じ売上レベルに達していないことを理由に同じ規模の支援を提供する必要はないとしている」

さらにディディ は2007年に同社と契約してブランドの顔に就任後シロックの売上を3000%以上伸ばすのに貢献し、2013年にはデレオンの「購入、マーケティング、販売」のために再び同社と提携したものの、プロモーションに関して「ディアジオは一貫してそのコミットメントを下回った」としている。ディディは同社が2015年にドン・フリオを、2017年にカサミゴスを買収した際、同社のデレオンへのコミットメントと集中力が必然的に低下したと感じていたという。

また訴状では、同社の幹部がディディの人種をデレオンが振るわない要因として挙げ、「彼が『(カリスマ主婦として知られる)マーサ・スチュワート』だったら、彼のブランドはもっと広まっていただろう」と話したとも主張している。

ディディの広報担当者はコメントを控えているが、ディアジオ社の代表はピープル誌に次の様に声明を発表している。

「これはビジネス上の問題でありコムズ氏がこの問題を事実と異なるものとして捉え直そうとしたことに、私たちは悲しみを覚えています」「私たちの会社や地域社会における多様性への揺るぎないコミットメントは、私たちが非常に真剣に取り組んでいることであり、私たちは、今回の疑惑を断固として否定し、適切な場で精力的に弁明していくつもりです」「15年以上にわたり、コムズ氏とは様々なビジネスにおいて生産的で互恵的な関係を築き、重要な投資を行い、関係者全員に経済的成功をもたらしてきました」「私たちは、このビジネス上の紛争を友好的に解決しようとする我々の努力が無視され、コムズ氏が生産的で価値あるパートナーシップに損害を与えることを選択したことに失望しています。私たちは、事実が彼が公平に扱われてきたことを示すと確信しています」

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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