老舗スパイス店、秘伝のカレー 神戸・ごちそう博物館、レトルトで販売

「レカママ直伝のカレーで神戸を盛り上げたい」と話す本山尚義さん=神戸市東灘区

 料理を通して世界を結ぶ「世界のごちそう博物館」(神戸市東灘区)は、老舗スパイス店とコラボした新作レトルト食品「本格チキンカレー」を完成させた。神戸のインド人家庭に伝わる秘伝のレシピをそっくり再現。港町ならではの食文化の発信を目指す。

 香辛料卸店「インド・スパイス」(同市灘区)は、インド・ムンバイ出身のビニワレさん一家が1969年に創業。東京の「ナイルレストラン」や神戸の「ゲイロード」といった有名店をはじめ、国内のインド料理店の約8割に、本場の良質なスパイスを卸してきた。

 同博物館を営む料理人の本山尚義さんも24年前から同店のスパイスを愛用してきた縁で、今回のコラボが実現。ビニワレ家に代々受け継がれてきたレシピを母のレカさんに教わり、あえて日本人向けにアレンジすることなく、そのままレトルトパウチに閉じ込めた。

 具材は鶏肉と玉ネギ、トマトのみ。そこへクミンやコリアンダー、ガラムマサラなど12種類のスパイスを加える。本山さんによると、スパイス自体は特別なものではないが、その配合が絶妙なのだとか。生クリームやバターを使っていないため、あっさりして飽きがこない。

 発売初日に200個が完売するなど評判も上々。本山さんは「神戸の魅力は何といっても国際色豊かな食文化。ビニワレさんたちのような卸店が、それを縁の下で支えてきた。神戸洋食の底力を広く伝えたいし、地元の人にも誇りに思ってほしい」と話している。

 1食200グラム入りで、税込み800円。同博物館のホームページから購入できる。

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