嫁入り舟で晴れ姿披露 「おめでとう」来園者の祝福に笑顔 水郷佐原あやめパーク 千葉・香取

来園者から祝福を受けながら園内を舟で巡る新郎新婦=3日、香取市の水郷佐原あやめパーク

 千葉県香取市扇島の水郷佐原あやめパークで3日、花婿と花嫁が和船「さっぱ舟」に乗り、晴れ姿をお披露目するイベント「嫁入り舟」が行われた。ハナショウブに囲まれた水路が舞台。道中、来園者から「おめでとう」などと祝福の声をかけられると、新郎新婦は笑顔で手を振り返した。

 嫁入り舟は、かつて船が主要な交通手段だった水郷地帯で花嫁を嫁ぎ先に送り届けるために行われていた風習。同パークの前身、水郷佐原水生植物園が1995年に復活させた。

 公募の中から選ばれたこの日の主役は、地元の香取市出身の高安義之さん(36)と、茨城県潮来市出身の紗也加さん(27)。香取神宮で結婚式を挙げた2人はその和装でお目見え。女性の船頭が操るさっぱ舟で園内の水路を巡り、色鮮やかなハナショウブを楽しんだ。

 兄も以前この嫁入り舟行事に登場し、憧れを持っていたという新郎の義之さんは「地元の伝統行事に参加できてうれしい。円満な家庭を築いていきたい」。紗也加さんは「天気が心配だったので、できてよかった。いろいろな人たちに祝ってもらえた」とほほえんだ。

 嫁入り舟は、開催中の「あやめ祭り」(25日まで)の関連イベントの一つで、10、17日も午前10時半から他の新婚夫妻が行う予定。

来園者の祝福に手を振る新郎新婦=3日、香取市の水郷佐原あやめパーク

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