浦和vs鹿島はゴールレスドロー…白熱した展開も後半はどちらも決定機作れず【明治安田J1第16節】

4日、明治安田生命J1リーグ第16節の浦和レッズvs鹿島アントラーズが埼玉スタジアム2002で行われ、0-0の引き分けに終わった。

今季からスタートしたマチェイ・スコルジャ監督体制で安定感抜群の浦和。J1開幕2連敗にはサポーターも不安を抱いただろうが、その後の黒星はACL決勝第2戦直後のサガン鳥栖戦のみ。試合の消化数が他チームより少ない中でも5位につけており、今節でライバル鹿島を叩けばさらなる勢いをつけられるだろう。

対する8位・鹿島も直近の公式戦8試合で無敗と成績が安定。前節は鳥栖と2-2のドローとなったが、試合終了間際に起死回生の同点ヘディング弾を叩き込んだ絶対的エース・鈴木はここまで8ゴールと絶好調だ。岩政大樹監督率いるチームにも、敵地で浦和と対戦するにあたって不安要素はない。

最初のチャンスは勢いよく試合に入った鹿島。11分、敵陣深くでの細かいパス交換から佐野がボックス内まで侵入し、右足を力強く振り抜く。ボックス右寄りの位置からファーを狙った一撃は浦和のGK西川が守るゴールマウスへは飛ばせなかった。

鹿島は強さ、高さ、スピードの三拍子が揃う浦和のセンターバック2枚・ホイブラーテンとショルツを考慮してか、鈴木と垣田の2トップを主なターゲットとするいつものロングボール攻勢をかけず、ポゼッションでの打開を目論む。

なかなか決定機を作れず、こう着した展開が続くと、今度は機を見たミドルシュートで襲いかかる。22分、右サイドのタッチライン際からディエゴ・ピトゥカが左足の強烈な一振りを披露すると、24分には再びピトゥカがボックス手前から左足ミドルを放ち、こぼれ球がボックス内の鈴木の足下に。GK西川との一対一だったが、ベテラン守護神の冷静なセーブに阻まれた。

一方、浦和は鹿島の伝統である[4-4-2]の強固なブロックを前に攻めあぐね、時折、鋭いカウンターや素早いパス回しから敵陣深くまで入るものの、フィニッシュまでは持ち込めない。1トップの興梠が中盤まで降りてボールを受けるシーンが目立つ。

それでも、前半終盤にかけて徐々に良い流れ。43分にホイブラーテンの縦パスを受けたリンセンがボックス手前から左足でミドルシュートを放つと、45+2分には明本のマイナス気味のクロスが相手に当たってポストを叩くシーンも。結局、前半はネットを揺らせなかったが、後半に向けて好感触を得た格好だ。

スコルジャ監督はハーフタイムに2列目左のリンセンを下げ、ボランチの岩尾を投入。2列目を左から関根、安居、大久保という並びにし、なかなか流動性を生み出せなかった前半の課題の修正に取り掛かる。

すると、後半立ち上がりから1トップの興梠が各所でスムーズにボールを受けられるようになり、55分には大久保、興梠、岩尾をテンポ良く経由して伊藤がミドルシュート。枠へは飛ばせなかったが、指揮官の采配がジワジワ効果を発揮し始める。

しかし、鹿島の岩政監督も黙っていない。59分、垣田と名古を下げ、土居と仲間を投入。両者はポゼッション時に頻繁にポジションを入れ替えており、浦和の守備陣をかき乱す役割を与えられたと見て取れる。

攻守の入れ替わりが激しいオープンな展開の時間帯に突入すると、浦和は切り札のホセ・カンテとモーベルグ、鹿島はアルトゥール・カイキと常本がピッチへ。見応え十分の白熱した一戦だが、後半はどちらも決定機が作れない。

試合終盤の83分から85分にかけては、観衆4万5575人が詰めかけるなか、ホームサポーターの大声援に後押しされた浦和がFK、右CK、左CKとセットプレーを連続して獲得するも、いずれもゴールに結び付かず。90+2分にようやくホセ・カンテがゴール前でドンピシャヘッドを放つも、鹿島GK早川のセーブに阻まれる。

アディショナルタイムには両軍入り乱れて乱闘寸前という場面もあったなか、結局、どちらとも最後までネットを揺らせず、0-0のゴールレスドローに。鹿島は3試合連続で勝ち点「1」の積み上げに留まった。

浦和レッズ 0-0 鹿島アントラーズ

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