女子5000メートルの田中は昨年に続き、1500メートルとの2冠を達成。「強さを見せたい」とロングスパートでぐんぐん加速し、世界で戦う覚悟を示した。
世界選手権の参加標準記録14分57秒00を狙うには厳しいスローペースのレース展開に、残り2000メートルで前へ出た。「勝機が見えてきたのに前に出ないのはずるいかなと。自分がされて嫌なことはしたくない」。一気にギアを上げると背中にあった後続の気配はすぐに消え去り、あとは力強く足を駆るだけ。1500メートルと同様、今季テーマの一つに掲げるラスト1周のスパートにもこだわり「自信になった」とうなずいた。
800メートルを含む3種目に挑んだ前回とは違い、「世界に出ていける種目」で勝負した今大会。日本の頂点を極めてもなお「ラスト2000メートルのペースで常に押していけるのが世界」と課題を口にする。田中の求める強さに上限はない。(長江優咲)