JR園部駅で事故・事件想定した訓練 京都府警や消防も参加、手順を確認

訓練で刃物を振りかざす男を囲む南丹署員。さすまたと盾で素早く取り押さえた(京都府南丹市園部町・JR園部駅)

 電車の人身事故と、車内で乗客が暴れる事件を想定した訓練が、このほど京都府南丹市園部町の園部駅であった。JR西日本や京都府警南丹署、京都中部広域消防組合などから約90人が参加。駅構内で実際の車両を使い、通報や逮捕、負傷者救助の手順を確認した。

 訓練は電車の運転士が踏切内に男性を見つけ、急ブレーキをかけたが接触したとの設定でスタート。救急隊が男性を搬送し、署員が現場検証をした。その間に「いつまで待たせる」といらだった乗客の男がナイフを振り回した。

 JR社員は席から外した座面を盾にし、女性を人質に取った男をなだめながらドアへ誘導。男を下車させ、人質が逃げた隙を突いて、署員らがさすまたや盾で抑え込み、現行犯逮捕した。切りつけられた1人と体調不良の4人を救急搬送し、訓練を終えた。

 南丹署の赤名肇署長は「各機関が密集して本部を置き、連絡がうまく取れた。乗客が多い朝夕を想定した訓練も今後必要だ」と講評した。

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