青森県知事選 宮下氏、全市町村で得票トップ 下北地方は9割超

 4日の知事選で初当選した前むつ市長の宮下宗一郎氏は、全40市町村で5~9割の得票を獲得し、ほかの3候補を突き放した。特に出身地のむつ市を中心とした下北地域では得票率が9割を超え、圧倒的な強さを見せつけた。前青森市長・小野寺晃彦氏の地盤で、大票田の青森市でも6割に食い込み、広く支持を取り込んだ。

 各候補の全県の得票率は、宮下氏68.10%、小野寺氏29.33%、横垣成年氏1.77%、楠田謙信氏0.80%となり、宮下氏の圧勝だった。

 宮下氏の得票率を市町村別に見ると、大間町で95.37%に達したのをはじめ、風間浦村95.36%、むつ市92.89%、東通村92.72%、佐井村92.01%と上位5位を下北が占めた。地元の全首長、3人の全県議、市町村議らの厚い支援で地域をまとめ上げたことがうかがえる。

 市部の得票率は68.21%、町村部は67.73%と、満遍なく支持を集めた。

 小野寺氏の得票率が最も高かったのは今別町の47.17%。鯵ケ沢町40.54%、中泊町37.98%が続いた。4割台に乗せた今別、鯵ケ沢は首長、地元県議らが小野寺氏を支持し、議員らが支援団をつくるなど、支持拡大を図った。

 小野寺氏支援を表明した首長が多かった津軽地方では、衆院3区選出の木村次郎衆院議員も小野寺氏を支援したが、得票率は3割台で推移した。

 小野寺氏が直前まで市長を務めた青森市の得票率は36.34%だった。

 横垣氏は、共産党所属の県議、市議らの支援を受け、弘前市と八戸市で2%を超えたが、出馬表明が遅れ、知名度不足が最後まで響いた。楠田氏は、ほぼ浸透していなかったことがうかがえる。

 全市町村長(市長が不在だった青森市を除く)を対象に行った事前の東奥日報のアンケートでは、宮下氏を支持した首長は下北・上北地方を中心に10人、小野寺氏を支持したのは19人だった。小野寺氏支持を打ち出した市町村の得票率を見ると、弘前市で28.90%となるなど20~40%にとどまった。

© 株式会社東奥日報社