「ウクライナをわが国に置き換えて考えて」 空自三沢・大嶋司令、安全保障語る

三沢市防衛協会の総会で安全保障をテーマに講話する大嶋司令

 航空自衛隊三沢基地の大嶋善勝司令(55)が5月26日、青森県三沢市のホテルグランヒルつたやで、安全保障をテーマに特別講話を行った。日本を取り巻く環境が厳しさを増す中、「国防のため、三沢基地隊員が一丸となり訓練に励み、任務にまい進する」と語った。

 「安全保障概観-インド太平洋地域における現状とこれから」と題し、軍事的に台頭し沖縄県・尖閣諸島周辺への圧力を強める中国や、弾道ミサイルを相次ぎ発射する北朝鮮の戦力状況などを分析。膠着(こうちゃく)状態が続くロシアによるウクライナ侵攻を引き合いに「専守防衛に軸足を置く日本が仮に攻め込まれた場合、どんな結末を目指すべきなのか。ウクライナをわが国に置き換え、常日頃から考えなければならない」と述べた。

 大嶋司令は、宮城県生まれのむつ市育ち。1990年に防衛大学校を卒業後、航空幕僚監部(東京)の運用支援課長や築城基地(福岡)の司令を歴任し、2022年8月に三沢基地の司令に就いた。

 特別講話は三沢市防衛協会(相場博会長)の総会に合わせて行われ、小桧山吉紀市長ら約50人が出席した。

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