「切れた場所は全部同じ 諦めるしかない」2年続けての堤防決壊…原因は「洗掘」か【静岡記録的豪雨】

台風2号の接近に伴う記録的豪雨で、静岡県磐田市では川の堤防が決壊し大きな被害を受けました。この氾濫のメカニズムについて国土交通省は、「洗掘」という現状が起きたのではないかとみています。この洗堀、他の川でも起きうるため注意が必要です。

今回の大雨で氾濫した磐田市の敷地川。周辺のエリアに甚大な浸水被害をもたらしました。

<床上浸水の被害にあった櫻田力さん>

「床上浸水だからどうしてもダメなところもあります。床が抜けたじゃなくて浮き上がっちゃってね」

この敷地川、2022年の台風15号でも同じ場所で堤防が決壊。県は22年の決壊の際、大型の土のうを積むなどして仮の復旧を工事を実施。2025年度までに改良工事を完了する予定でした。

<滝澤悠希キャスター>

「敷地川です。90度近いカーブになっています」

この場所で当時、何が起きたのか?4日、国土交通省の緊急災害対策派遣隊が現場を確認し、今回の堤防決壊のメカニズムは「洗掘」だと見解を示しました。

<国土交通省中部地方整備局河川部 平野浩二建設専門官>

「今回の部分だと恐らく「洗掘」ということで。堤防の下が掘られてその勢いで堤防が壊れた。要するに堤防が掘られていったという形になりますので」

「洗掘」とは激しい川の流れにより、堤防の表面の土が削り取られることです。この結果、堤防は崩壊し、住宅などへの浸水を引き起こします。今回決壊したのは川がカーブした場所でした。洗堀は他の川であってもこうした流れの影響をもろに受ける場所で起きうるため注意が必要です。

1年も経たない間に2度決壊した敷地川。住民は前回の決壊の後の行政の措置を疑問視します。

<床上浸水の被害にあった櫻田力さん>

「切れた(=決壊した)場所は全部同じ場所。諦めるしかないね。これで(決壊は)ないようにしてほしいね。鉄壁の直し方をやってもらわないと。コンクリでもなんでもいいもんで、とてもじゃないけどどうしようもないもんね」

対応に問題があったのでは?との指摘に対し、敷地川を管理する県は「一般的な工法で工事をしたが、予想外の水量により今回の決壊に至った」とコメントしています。

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