新青森県知事・宮下氏、「県庁大改革」着手へ 必要なら予算組み替えも 当選一夜明け会見

当選から一夜明け、記者会見で今後の県政運営などを語る宮下氏=5日午前、青森市

 任期満了に伴う4日の知事選で初当選した前むつ市長の宮下宗一郎氏(44)は5日、青森市内で記者会見を開き、29日の知事就任後に、県庁の組織や機構を大幅に見直す「県庁大改革」に着手する考えを表明した。年度途中でも、必要であれば予算の組み替えや職員人事を行うと説明。早期に組織改革の見通しを立て、随時実行していくとの意向を示した。

 宮下氏は「県民目線の新たな組織を構築したい。部と課の体制や県民局と県庁の関係、研究機関(の在り方)を含めゼロベースで見直す」と強調。「優秀な県庁職員が力を発揮できる環境にいることが大事。時代と政策がどんどん変わっていくので、組織、機構をしっかりと改革しなければならない」と狙いを語った。

 また、選挙戦で掲げた「物価高騰緊急対策本部」や、少子化対策を立案、検証する「青森こども未来県民会議」を、議論を深める組織として設立する-と明言。「物価対策の本部をつくること自体が縦割り行政の排除になる。職員が効率よく、県民目線で働ける場を目指していく」と語った。

 公約で掲げた「合計特殊出生率2以上を目指すモデルの確立」に向けては、「50年前から始まった日本全体の少子化傾向を1、2年で解消はできないが、今、新しいゴールを決めて進んでいくことが必要」との見解を示した。

 教育行政については「ものすごく積極的に関わっていきたい」とし、「県総合教育会議の場で知事としてのビジョンを教育委員会に伝え、大きな方針の下に動いてもらえるようにしていく」と話した。

 宮下氏はむつ市長時代に、県立高校再編で大湊とむつ工業の統合計画に反発した経緯がある。「1学級の人数や学級数をしゃくし定規に当てはめる方程式があり、考え方が硬直的。子どもたちの未来という視点が欠けている」と指摘し、ICT(情報通信技術)の活用を含め「世界で活躍する人材を育てるために、どんな教育システムが必要かを考えるべき」と持論を述べた。

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