富岩運河環水公園、駐車場の有料化検討 富山県、9月にも実態調査

  ●慢性的な混雑が課題 県土整備農林水産委

 県議会県土整備農林水産委員会(安達孝彦委員長)は5日開かれ、県側は富岩運河環水公園(富山市)に4カ所ある無料駐車場の有料化を検討していることを明らかにした。公園利用者以外の長時間駐車による慢性的な混雑が続いているため。9月ごろに駐車場の実態調査を実施し、利用状況に関するデータを集め、効率的な駐車場運営につなげる。

 県内有数の入り込み数を誇る観光地となっている富岩運河環水公園は、2006年から順次無料駐車場の整備が進められてきた。現在は北地区に100台、スターバックスコーヒー前に13台、県民共生センターサンフォルテ隣の「さくらの下」前に18台、西側のラ・シャンス前に40台の計171台分が確保されている。

 公園周辺には、公園利用者が2時間無料となる有料の立体駐車場(73台)や県美術館駐車場(103台)も設けられている。

 ただ、無料駐車場では慢性的な混雑が課題となっている。県は、公園利用者以外の長時間駐車が影響しているとみており、昨年度に民間活力の導入に向けて市場調査を行った際、事業者から駐車場の有料化を提案されたことを受け、検討を進めることにした。

 調査は9月ごろから約2カ月間実施する。無料駐車場の各出入り口に人工知能(AI)カメラを設置し、駐車台数や滞在時間のほか、ナンバープレートから県外者かどうかを読み取る。利用者へのアンケートも行い、状況を把握する。

 結果はホームページで公表するとともに、有料化への検討に活用する。土木部が試行的な事業に対する特別枠「サンドボックス予算」として、事業費750万円を充てた。

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