青森県知事選 開票日の夜、国会議員対応に“明暗”

当選確実が報じられた宮下氏(右)の元を訪れて祝意を伝え、記念撮影する津島氏=4日午後8時55分、青森市
落選した小野寺氏(左)をねぎらい、声をかける江渡氏=4日午後8時7分、青森市

 県政の次のリーダーが誕生した4日夜、本県国会議員は当選者と一緒に「青森新時代」コールをしたり、支持した落選者をねぎらったりと、明暗分かれた各現場でさまざまな対応を見せた。

 自民党の衆参5議員は個々の動きが際立った。神田潤一衆院議員は午後8時過ぎ、青森市内での宮下宗一郎氏の当選セレモニーに現れ、マイクを握った。「自主投票は間違っていなかった」と強調すると、会場から拍手が起こった。陣営カラーの青い上着を身に着け、宮下氏の隣で「新時代!」と拳を突き上げた。

 その後、神田氏は小野寺晃彦氏の市内の事務所を訪問。しかし本人は10分前にその場を離れていた。

 神田氏は4月に中立を表明し、選挙中は小野寺氏を支持する木村次郎衆院議員と衝突する場面も。宮下氏を祝うマイクを持ったことについては「(津島淳)県連会長の命を受け、どちらが当選してもあいさつすると決めていた」。「私は最後まで中立」とも述べた。

 江渡聡徳衆院議員は、小野寺氏の事務所に姿を見せた。午後8時に落選の報が流れると、隣に座る三村申吾知事と顔を近づけて短時間、ささやき合った。

 敗戦の弁を言い終えた小野寺氏の肩に手を置き、ねぎらいの言葉をかけた。取材に対し「結果は結果で、これが県民の判断」。県議らを含め、分裂状態の県連については「最終的には会長がどのような判断をするかだ」と話した。

 その県連会長・津島衆院議員は、青森市長選で当選した西秀記氏の事務所を訪れた後、同9時前に宮下氏の当選セレモニー会場に到着し、宮下氏に「おめでとうございます」と告げて握手。その後、小野寺氏の事務所に移動し、本人不在の場で陣営スタッフをねぎらった。

 報道陣に「県民の選択に委ねる、万機公論に決すべしという(自主投票の)決断を後悔していない」と強調。一枚岩の再構築に向けて「自主投票を決めた瞬間に十字架を背負って歩くと腹をくくっており、いばらの道でも融和を探って実現する」と述べた。

 滝沢求参院議員は西氏の事務所に駆けつけた一方、知事選候補者の関係先は訪れなかった。防衛政務官の木村氏は公務のため、東京都内に滞在していた。

 立憲民主党の田名部匡代参院議員は5日の国会日程に備え、4日午後に東京へ移動。共産党の高橋千鶴子衆院議員は、同日は事務所に顔を出さず、5日朝、党推薦の横垣成年氏と共に青森市内で街頭活動を行った。

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