再発防止策が裏目に… 離乳食の刻みリンゴで重体の事故を受け“力が入りすぎて破れた”クッキングペーパーが混入

愛媛県にある新居浜社会福祉事業協会が運営する「新居浜上部のぞみ保育園」で相次いで発生した事故。経緯を振り返ります。
※画像でも経緯の詳細を掲載しています。

この園では5月16日、リンゴによる重体事故が発生しました。離乳食への異物混入が発生したのはその翌日でした。しかし、20日に重体事故の会見を開いた際、異物混入については「事故の対応に追われていた」として公表されませんでした。そして、1週間後の24日、アレルギー食品の提供が起きてしまいました。

5月16日の事故は、当時8か月の男の子が生の刻みリンゴを口にした後、一時、心肺停止となったもので、男の子は今も重体です。ちなみに国のガイドラインは、1歳~1歳半までの“離乳完了期”までは、加熱して提供することを推奨しています。

その翌日、17日は参観日でした。ゆでて細かく切ったかぼちゃを提供した際、男の子の母親が異物に気づき保育士に知らせたものの、あいまいな対応に終わり、園側は翌日、保護者からの連絡帳で異物混入を把握したといいます。異物はカボチャを切る時にまな板に敷いていたクッキングペーパーで、協会は「事故の翌日で力が入りすぎて破れた」と説明しています。

さらに5月24日、卵アレルギーのある当時1歳7か月の女の子に、卵を含むマドレーヌが誤って提供されました。園では、重体事故を受けてアレルギーのある子どものおやつは別のトレーで配るよう運用を変えていましたが、情報共有がされておらず、保育士は女の子にマドレーヌを渡した後、トレーに気付いたということです。このマドレーヌの成分表示について、細川事務局長は会見の中で「年齢を重ねた保育士だったので確認できなかったようだ」と発言しています。

園では改善策として、チェック体制の強化、人員配置の見直しなどをあげていますが、6日に明らかにされた2件は、重大事故の再発防止への取り組みが裏目に出た形です。

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