高校バスケ インターハイへの切符は… 男女とも広島皆実 県予選 決勝

熱い青春の1コマです。稀にみる大接戦となった高校バスケットボール、夏のインターハイ出場をかけた広島県大会決勝が4日(日)、行われました。

女子決勝 広島観音 vs. 広島皆実 第76回 広島県高校総合体育大会

勝てば北海道で開催される夏のインターハイへ―。女子決勝では、この夏の大会2連覇中の広島皆実と、3大会ぶりの優勝を目指す広島観音が激突しました。

試合は、序盤から両チーム譲らず。点を取られたら取り返す拮抗した展開に。そんな中で広島皆実は、キャプテン・大上粋奈 の長身(183センチ)を活かしたインサイドプレーを軸に得点を重ねていきます。

実は、この大上は、世代別の日本代表に選出されている県内屈指の注目選手。

広島皆実 3年 大上粋奈 キャプテン
「代表での試合を通して世界のバスケを知ったし、自分に足りないものも感じた。もっともっとバスケで上を目指したいと思えた。夢がオリンピック選手になること。その思いがすごく強くなって、バスケ人生で一番の経験だった。プレッシャーに感じないようにしている。自分が点を取ってチームをまとめたい」

第2クォーター終了時点で35対32と接戦が続く中、すでに大上は19得点。試合前の言葉どおりチームを引っ張ります。

第3クォーターに入ると、徐々に流れは皆実へ。

大上と中学校からのチームメイト・松前結奈 がミドルシュートを立て続けに沈めると、頼りになる副キャプテン・小西史夏 が、勝負どころの重要な3ポイントをしっかり決めきります。

去年のチームから主力として戦ってきた3年生たちを中心に終盤で一気に観音を突き放しました。これで皆実は、3年連続となるインターハイの出場権を獲得。広島県大会を戦い抜いた王者の緊張の糸がほどけた瞬間でした。

広島観音 56-80 広島皆実(インターハイ出場へ)

広島皆実 3年 大上粋奈 キャプテン
「自分自身のプレーがうまくいかない中でチームをまとめないといけなくて、悩んだときもあったけど、まずは自分が気持ち強くないといけないと思った。すごくしんどい試合で、何が起こるか分からない、しんどい部分もあった。コート内だけでなく、ベンチみんなで話していたし、いい試合だったと思う」

チーム全員
「北海道に行くぞー!」

男子決勝 瀬戸内 vs. 広島皆実 第76回 広島県高校総合体育大会

一方、男子の決勝は、女子とのアベック優勝がかかる去年の王者・広島皆実と瀬戸内が対戦。去年の決勝と同じ顔合わせになりました。

第1クォーターからリードを奪ったのは、紺色のユニホーム・瀬戸内。その原動力となったのが、この日、両チームトップの32得点を挙げたエースでキャプテンの 濱田典也 です。そこには去年までともに戦った兄・卓也との約束がありました。

瀬戸内 3年 濱田典也 キャプテン
「兄とは仲がいいです。去年の兄のキャプテンシーは感じるものがあった。自分もそういうのを後輩に見せられたらいいな。来年はインターハイに出場して(監督の)川西先生を胴上げできるようがんばれよと言われた」

キャプテンを受け継ぎ、去年、兄とともに敗れた広島皆実へのリベンジを狙います。

しかし、その皆実も意地を見せて食らいつきます。キャプテン・小田悠人 が、リバウンドからの得点で苦しい時間帯をつなぐなど、瀬戸内との点差を広げない粘りを見せます。

そして、迎えた最終クォーター。試合時間、残り5分で皆実が初めてリードを奪います。

ただ、それでも瀬戸内は、濱田の3ポイントで再逆転に成功。そんな手に汗握る終盤の攻防の中で存在感を強めたのが、皆実のエース・中村英司 でした。外から、中からと多彩なパターンで、第4クォーターだけで14得点。最終盤で瀬戸内を突き放し、試合終了。

インターハイを決めた皆実と、目前でそれを逃した瀬戸内―。次の戦いは、中国大会、そして高校生活最後のウインターカップへと続きます。

瀬戸内 78-88 広島皆実(インターハイ出場へ)

広島皆実 3年 小田悠人 キャプテン
「前半は、瀬戸内高校のDFにやられて、自分たちのリズムが作れず、苦しかったけど、最後に粘り勝ち、皆実らしいバスケができたと思う。今回の優勝はチームメイトあってこそなので、仲間にありがとうと声をかけたい」

瀬戸内 濱田典也 キャプテン
「今、落ち込んだら中国大会まで引きずってしまうので切り替えよう。冬、もう1回がんばろうとチームを鼓舞できたと思う。けさ、兄から連絡がきて、『楽にいけよ』と。当然、勝って、いい報告をしたかったんですけど、次の冬、ウインターカップに出るという約束をして、次は1位で出られるよう約束を果たせられたら」

男女とも皆実高校がインターハイへ。一方、準優勝に終わった女子の観音と男子の瀬戸内も中国大会に進みます。

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