無料で「放課後学習塾」開講 市内2中学校で、応募した中3対象 矢板

矢板市役所

 矢板市は中学生の学力向上を図ろうと、14日から矢板、片岡両中学校で無料の「放課後学習塾」を開講する。応募した中学3年生が来年2月まで、週1、2回、民間の塾の講師から数学と英語を学ぶ。市によると、県内で市町が民間に委託して学校で行う「公営塾」は茂木町に次いで2自治体目となる。

 市の学習塾開講は、小学生の学力が、中学校に上がった後、うまくつながっていないと思われることなどが要因にある。文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、市内の小学6年生は2018、19年度とも国語、算数など全科目で全国平均を上回った。しかし、中学3年生は22年度までの5年間、いずれの年も国語、数学など全科目で全国平均を下回った。

 公営塾の事業費は480万円。対象が数学と英語なのは一度つまずくと上の学年に上がった際、立ち直るのが難しいためという。募集で所得制限などは設けず、全中学3年生対象とした。民間の学習塾に通う手段がないなど生徒、家庭それぞれの事情を考慮した。

 市が5月、受講生を募集したところ、数学、英語とも3日間で定員(矢板中2教科各40人、片岡中同20人)に達したという。学習塾は1学期は週1回、2学期は週2回、放課後に開く。生徒は自ら問題集や宿題を持参して、講師に質問しながら「自主学習」を進める。

 市教委担当者は「保護者のニーズはあったと手応えを感じる。生徒一人一人が目標を達成することでおのずと市のレベルが上がっていけば良い」と話した。

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