県内ロケ件数27%減 県FC事業22年度実績 経済効果は微増、7095万円

 県観光交流課は1日までに、映画やドラマなどの県内での撮影を支援する県フィルムコミッション(FC)事業の2022年度実績を発表した。撮影件数は前年度比27.3%減の40件で2年ぶりに減少した。新型コロナウイルス下での行動制限が緩和されたことから、ロケを受け入れる自治体や施設が全国的に増え、撮影地の選択肢が増えたことなどが要因という。一方、1件当たりの平均撮影日数は増えたため、撮影隊の宿泊費や弁当代など県内で消費されたロケ関連経費を示す直接的経済効果は、2.1%増の7095万8千円だった。

 撮影作品のジャンルの内訳は、ドラマが21件で最多、次いで映画12件、情報・バラエティー番組4件、CM2件、その他1件だった。

 撮影地のうち、県庁の本庁舎は、日本テレビのドラマ「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」などで使用された。NHKのドラマ「ドラマ10大奥」では、日光市の「江戸ワンダーランド日光江戸村」が登場。映画「映画刀剣乱舞-黎明(れいめい)-」の撮影は、足利市のオープンセット「足利スクランブルシティスタジオ」などで行われた。

 連続ドラマなど数日にわたる撮影が多く、1件当たりの平均撮影日数は約3日と、前年度より1日伸びた。

 撮影前の相談件数は4年ぶりに減少し、36.0%減の340件だった。

 一方、市町の単独支援を含めた県全体の撮影件数は8.6%減の299件、直接的経済効果は18.0%減の1億5902万2千円だった。

 県は、地域活性化の効果が期待できるとして、引き続き映画やドラマを中心に支援していく方針。同課は「今後も話題性の高い作品を積極的に誘致し、県のイメージアップや観光誘客につなげたい」としている。

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