台風2号の接近に伴う記録的豪雨を受け、堤防が決壊した静岡県磐田市の敷地川を6月6日、川勝知事が視察しました。2022年に続き、2度目の決壊となったことから「従来のやり方では済まないことがはっきりした」と述べました。
川勝知事が訪れたのは、磐田市にある敷地川です。
<静岡県袋井土木事務所 榊原正彦所長>
「敷地川は上流からまっすぐ来ていて、ちょうどここが90度に曲がって水の勢いが非常に強い」
川勝知事は職員から雨が降り始めてから川が決壊するまでの経過について説明を受けました。
今回の大雨で堤防が決壊した敷地川は、周辺の住宅などに甚大な浸水被害をもたらしました。これまでに41棟が浸水被害を受けたほか、濁流にのみ込まれた74歳の男性が死亡しました。
この敷地川は2022年の台風15号でも同じ場所で堤防が決壊していて、県は大型の土のうを積むなどして仮の復旧工事を終えていました。今回は前回の対策に加え、大きな鉄の板を入れて堤防を強化する作業が行われる予定です。
<磐田市 草地博昭市長>
「地元の皆さんは大変心を痛めているところでありますし、何よりも生活が苦しい」
視察に同行した磐田市の草地市長は川勝知事に対し、県が管理する公共インフラ施設の復旧や被災者の生活環境を早急に整えるための支援を求め、要望書を手渡しました。
<静岡県 川勝平太知事>
「2度続いたことが3度あってはならない。できる限りの支援をしていきたい」
2度目の決壊となったことから住民からは行政の措置を疑問視する声があがっています。
<静岡県 川勝平太知事>
「従来のやり方、大型のものをどんどん積めば何とかなるということでは済まないことがはっきりした。チームになって考えておりますので、住民の方たちにご説明をしながらやっていく。ここについては特段の注力をしている」
<磐田市 草地博昭市長>
「結果的に仮堤防は決壊したわけでありますから、今適切だったのかと言われれば適切ではなかったと感じているところであります」
6月8日から9日にかけて県内では再び大雨となる恐れがあります。
<磐田市 草地博昭市長>
「避難指示や高齢者等避難を出す場合は、速やかに避難所は開設をして避難を促していきたいと思っています」
雨の影響により、工事の進捗が遅れる可能性もありますが、県は6月末までの復旧を目指すとしています。