日本文理大生、佐賀関の困り事「よろず支援」へ 高齢者ら対象にスマホ教室【大分県】

参加者に操作の仕方を教える日本文理大の学生=大分市佐賀関
佐賀関地区でスマホ教室を開いている日本文理大の学生団体のメンバー

 【大分】大分市佐賀関地区の「よろず支援」を目指して活動する日本文理大(同市一木)の学生団体が月1回、地区内の高齢者らを対象にスマートフォン教室を開いている。住民との交流を兼ねた取り組み。代表の長友遥暉(はるき)さん(19)=経営経済学部2年=は「教室を通じて地域を知り、佐賀関のために自分たちができることをしていきたい」と話している。

 団体を立ち上げたのは、佐賀関を拠点に地域活性化に取り組むサークル「ろーかるデザイン研究会」に所属していた長友さんら5人。サークル活動をする中で、生活の中でのちょっとした困り事を解消する地域の「よろず支援」を考えるようになったという。サークルを離れ、有志で団体を結成。高齢者が増え、スマホ教室の需要があると聞き、今年3月に始めた。

 3回目の5月27日は定員(10人)を超える13人が参加。メンバー9人がほぼマンツーマンで、インターネットや交流サイト(SNS)、カメラ機能の基本的な使い方を実際に操作しながら教えた。

 教室は終始和やかな雰囲気。2回目の参加という女性(81)は「とても楽しい。習ったことを忘れても、また聞けるのがいい」と笑顔。メンバーの雨川真輝人(まきと)さん(19)=工学部2年=は「いろんな人の体験談や地域のことを知れるのは貴重」と話した。

 開催に当たっては、地元の社会医療法人関愛会と企業の有志でつくる「さがのせきのささえ」が、教室の告知や行政、関係機関との橋渡しに協力。大分商工会議所佐賀関支所は、有効活用を講じる佐賀関商工会館内の空きスペースを会場として提供している。

 今後の取り組みに向けて「行事などにも積極的に参加して地域とのつながりを深めたい」と長友さん。関愛会地域福祉推進室の宮田太一郎室長(41)は「学生なりの感覚で地域課題をとらえ、活動を考えていることが素晴らしい。地域は高齢化が進んでいる。得意なことを生かしながら、需要とマッチした取り組みをしてもらいたい」とエールを送った。

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