新青森県知事・宮下氏、市町村長と融和へ始動

 知事選で初当選した前むつ市長の宮下宗一郎氏(44)が、選挙戦で対立した県内市町村長との融和に向けて動き出したことが6日分かった。前青森市長の小野寺晃彦氏(47)を支持した首長らに電話をかけるなどして、連携を呼びかけ始めた。

 宮下氏は10市に自ら電話し、市長不在の場合はメッセージを残した。小野寺氏を支持した首長が多かった衆院3区に対しては、佐々木孝昌五所川原市長に依頼。佐々木市長が大半の町村長に電話し「選挙が終わったから県と一緒にやっていこう」と呼びかけた。

 同日、藤崎町の定例町議会一般質問では、平田博幸町長が相手候補を応援したことで町に不利益があるのでは-との質問が出た。平田町長は佐々木市長から電話があったと説明し、「『一緒にスクラム組んでやろうよ』とのことだった。無用な心配では」と答弁した。東奥日報の取材には「県民が選んだ県知事。選挙後はノーサイド」と述べた。

 同じく小野寺氏を支持した山田年伸・大鰐町長も東奥日報の取材に、宮下氏本人と佐々木市長から電話があったと明かした。山田町長は「今後はノーサイド。同じ方向を向いてやっていこうと話した」と述べた。

 宮下氏は取材に、呼びかけの趣旨について「市長時代の経験から、市町村との連携が県政運営上の大きな鍵になると実感している。県民のために働くために行政の連携は不可欠」と語った。衆院1、2区の町村長には、今月開かれる県町村会の総会に出席した際に直接、連携を呼びかけるという。

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