福原愛さん、青森大で初講義 五輪出場経験振り返る

4度の五輪に出場した当時の心境を振り返る福原さん=7日、青森市の青森大学
福原さんが獲得した、銀と銅の五輪メダルを手に記念写真を撮る学生=7日、青森市の青森大学

 卓球女子で4度の五輪に出場した福原愛さん(34)=青森山田中-青森山田高出=が7日、母校の系列に当たる青森大学で、1年生約320人を前に講義した。2021年に同大客員准教授に就任して以来、教壇に立つのは初。福原さんは「五輪を通じ、さまざまな夢や目標をかなえてきた。具体的に自分がなりたい姿を想像し、計画を立てることが大切」と訴えた。

 同大の「じょっぱり経済学」(全15回)の一環で、福原さんは第8回の講義を担当。「私とオリンピック」のテーマで、15歳で初出場した04年のアテネ五輪から、主将を務めた16年のリオデジャネイロ五輪までの4大会を振り返った。

 08年の北京五輪は団体3位決定戦で韓国に敗れ、メダルを逃し「今でも悔しい思い出一色で染まっている」という。大会後、敗れた瞬間の写真を練習場に飾り、悔しさをばねに練習に打ち込んだエピソードを紹介。その結果、日本卓球界で初のメダルを獲得した12年のロンドン五輪は「これ以上やれることはないほど自分を追い込んだ。震災後だったこともあり、日本にメダルを持って帰れてうれしかった」と語った。

 福原さんはロンドン五輪の銀とリオ五輪の銅の二つのメダルを披露。学生は重さを確かめたり、記念写真を撮るなどしていた。

 野球部の嘉藤誠さん(総合経営学部1年)は「世界で活躍する姿をテレビなどで見ていたけれど、裏では何度も挫折していたことを初めて知った。悔しさを糧に活躍できる、プロの強さを感じた」と話した。

© 株式会社東奥日報社