バスで棚田を巡りませんか 岩本英樹さん(唐津市)がツアー企画

県内の棚田を巡るバスツアーを企画し、ガイド役を務める岩本英樹さん=唐津市の佐賀新聞唐津支社

 元唐津市職員で、同市相知町の「蕨野(わらびの)の棚田」について調べてきた岩本英樹さん(67)が、武雄、嬉野を含む3市の棚田を巡るバスツアーを企画した。地元旅行会社の協力を得て、「棚田に詰まった先人の知恵を紹介したい」との思いが実を結んだ。自らガイド役を務め、景観だけではない棚田の魅力を伝える。

 岩本さんは相知町出身。旧相知町役場に勤め、蕨野の棚田の交流広場の整備やウオークイベントの立ち上げなどに関わってきた。蕨野の棚田には、全体に水が行き届くよう地下に埋まった水路「暗渠(あんきょ)」がある。こうした知恵に魅了されたという岩本さんは、「工夫を重ねて集落の力で完成させた棚田は、希望に満ちた施設だったろう」と思いをはせる。

 観光資源としても棚田をPRしたいとツアーの構想を練り、昨年12月に大手旅行会社などに提案したが、「単発企画はできない」と断られた。今年2月に地元旅行会社に相談したところ、ツアーに協力してくれることが決まった。

 稲作の発祥の地とされる「菜畑遺跡」(唐津市)を訪れた後、蕨野、棚田を造成した先祖をたたえる「墾田碑」がある焼山(武雄市)、江戸期の水路や茶畑の様子を表した絵図がある不動山(嬉野市)の三つの棚田を巡る。四季の棚田を写真で映したスライドショーも準備している。

 ツアーは24日と7月1日に実施する(午前9時出発)。参加費は5千円(弁当付き)。両日とも定員25人で、20人に満たない場合は中止となる。申し込みは旅ステーション中央旅行社、電話0955(77)3511まで。(横田千晶)

棚田ツアーで巡る唐津市相知町の「蕨野の棚田」=岩本さん提供

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