市立幼稚園は「最後の砦」 佐倉市が全3園閉園方針 保護者ら撤回求め会見

佐倉市教委が示した市立幼稚園全3園の閉園方針について撤回を求めて記者会見する森本代表(中央左)ら=7日、佐倉市鏑木町の中央公民館

 佐倉市教委が市立幼稚園全3園について入園児の減少を理由に本年度末で閉園する方針を固めたことを受けて、市立佐倉幼稚園の保護者らは7日、市内で記者会見を開き「特別な支援が必要な園児は私立が断る場合もある。公立は最後の砦(とりで)」などと方針撤回を訴えた。8日午後に撤回を求める要望書を円城寺一雄教育長に提出する。

 会見には同園の保護者有志の森本早苗代表(38)ら約10人が出席した。森本代表らは、障害児ら支援が必要な園児の受け皿として市立幼稚園が機能してきたと指摘し、市教委の方針を「子育て支援の充実、インクルーシブ教育が求められる時代に逆行している」と批判。公立の手厚い環境を確保する意義を強調した。

 会見ではその他、方針案公表から近く開催される教育委員会会議での決定までの手続きの拙速さ▽方針案の根拠とする新年度の入園意向調査の不備▽園児募集に向けたPR活動の不足-も挙げ、市立について存続の可能性を含めた再検討が必要とした。

 同市立幼稚園は「佐倉」「弥富」と2020年度から休園中の「和田」の3園で、佐倉、弥富2園では定員計250人に対し通園がわずか17人となるなど園児数が激減。市教委は検討会を立ち上げて議論を進め、方針案を策定、公表した。

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