コロナ5類1カ月、青森県民の生活に変化 マスク着けたり外したり 旅行、飲み会に前向きな声

テーブルなどからパーティションを撤去した弘前市内の居酒屋。客はテーブルを広々と使って食事を楽しむ=6日午後、弘前市土手町
JR青森駅の改札付近。マスク姿の人が多く見られるが、着けたり外したりする人の姿も目立った=7日午前

 新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に引き下げられてから8日で1カ月。青森県内でも、屋外などではマスクを外す人の姿が目立ち始めた。飲食店や各種施設に置かれた感染対策のための間仕切りの撤去も進み、旅行や飲み会に前向きな声も聞かれるなど、県民生活にも変化が表れつつある。

 7日朝、JR青森駅。電車に乗る時に限ってマスクを着用しているのか、改札を通る前後でマスクを着けたり外したりする人の姿が目立った。通学途中だった青森中央学院大学1年の三谷有生(ゆうき)さんは、屋外では徐々にマスクを外すようになったという。「気温が高い日のマスクは苦しい。外せる場面では外したい」

 同大では、7日もマスク姿の学生が多く見られた。「周囲の9割ほどはマスク姿」と経営法学部1年の品川和子(わこ)さん。それでも「県外旅行への心理的なハードルが下がったのは確か。実際、自分も仙台や東京に行ってきた」と話す。

 青森市の観光施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」の横山一敬さんは「5類移行直後はマスクの来場者が多かったが、どんどん減っている」。特に外国人客はノーマスクが多く「海外は日本よりも早くコロナ規制が緩和され、外国人客の活発な観光動向に日本人客が追いついてきた」との認識だ。

 青森市内のホテルの担当者によると、宴会需要は徐々に回復。ただ、コロナへの警戒感があるのか「宴会当たりの人数は以前より少なめ」だという。

 弘前市の居酒屋「薄利多賣半兵(はくりたばいはんべ)ヱ弘前かくみ小路店」は5類移行を機に客席のパーティションを撤去。店内で食事をしていた弘前大学医学部3年の大塚理子さんは「パーティションがない方が会話しやすい」、奥谷優乃さんは「周りの目を気にせず居酒屋に行けるようになった」と笑う。店長の石田剛さん(50)は「前よりも気楽に来やすくなったと思う」と話す。

 南部町役場は、来訪者と職員の事務スペースを仕切る透明アクリル板を、総務課などがある2階フロアからほとんど撤去した。一方、町民が訪れる機会が多い1階は引き続きアクリル板を多く残している。

 「ハッピー・ドラッグ」を展開する丸大サクラヰ薬局(青森市)は、この1カ月でマスクや消毒液といった感染対策商品のニーズが落ち着いたことから、売り場を縮小。一方で口紅などメーク用品の販売実績が回復しつつあるという。

 県南地方にスーパーを展開する「よこまち」(本部・八戸市)は、来店客のマスク着用を個人の判断に委ねた一方、店側の対応は変更せず、試食販売なども行っていない。担当者は「顧客の反応などを見極めながら今後の対応を考えたい」と話した。

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