「かわいいね」と近付く怪しいスマホ男…小学生らセブンに駆け込み、店員ら守る訓練実施「いつでも来て」

訓練で不審者役に声をかけられ、コンビニエンスストアに駆け込む児童

 不審者から声をかけられた際にコンビニエンスストアに助けを求める訓練が、埼玉県所沢市中富の「セブンイレブン所沢ニュータウン北店」で行われ、市立中央小学校の児童が対応を学んだ。所沢署と日本フランチャイズチェーン協会の関係者、コンビニ店員らが参加した。

 訓練は5、6年生の児童8人が、4人一組になって行われた。不審者役が店舗近くの路上で、下校途中の児童にスマートフォンを持って近づき、「かわいいね」などと声をかけた。

 児童は走ってコンビニ内に入り、店員に助けを求めた。店員は不審者から受けた行為や不審者の特徴を児童から聞き取り、警察に通報。店舗に駆け付けた警察官が、改めて児童から経緯を聞いた。

 訓練に参加した6年の加藤孝一朗さん(11)は「コンビニには不審者に対応できる人がいるので、安心できると思う」と話した。

 同署と同協会は「セーフティコンビニポリス」として、市内に133店舗あるコンビニにチラシを掲示。不審者に声をかけられるなどした児童や生徒が店舗に駆け込めるための活動を展開している。コンビニなどの企業を会員に持つ同協会の服部岳士さん(58)は「コンビニは地域に根差した店。怖いことがあればいつでも駆け込んでほしい」と話した。

 所沢署によると管内では2022年に、不審者の声かけなどの事案が128件あった。時間帯では下校や帰宅時刻に当たる午後4時台が27件(21.1%)で最も多く、月別にみると6月が21件(16.4%)で最多だった。

 同署は今回の訓練の様子を撮影した映像を市内の小中学校に配布し、児童や生徒に呼びかける。

コンビニエンスストアに駆け込み、店員(右)から聞き取りを受ける児童=所沢市

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