土砂災害の警戒情報、的中率アップへ 範囲を細かくし、精度向上 8日から新発表基準 千葉県と銚子地方気象台

銚子地方気象台

 千葉県と銚子地方気象台は、土砂災害の危険性を伝える「土砂災害警戒情報」の県内の発表基準を8日午後から変更する。基準を設定する範囲を5キロ四方ごとから1キロ四方ごとに細分化し、近年の降雨や災害発生状況のデータを反映。同情報が出た際に崖崩れなどが発生する「的中率」が上がるとされるが、発表があった場合の危険度は高まり速やかな避難が重要になる。

 土砂災害警戒情報は県と銚子地方気象台が共同で発表している。基準は60分間の積算雨量と、降雨がどの程度地中に蓄えられているかを数値化した「土壌雨量指数」の組み合わせで決めている。

 銚子地方気象台と県河川環境課によると、これまでは5キロ四方で基準を定めていたため、地形の特徴が異なる地域などによっては実態に沿わない場合もあり、精度の向上が課題だった。1キロ四方に細分化することで的中率が上がると見込まれ、同情報への信頼性が高まる。

 同課は「市町村長が避難指示を発令する際の判断や、住民の自主避難の参考にしてもらいたい」と求めた。

 基準の見直しは2年ぶり。同情報の発表頻度は従前とほぼ変わらないとみられる。的中率は全国的に低く、国の調査では4.7%(2009~19年)で、空振りが目立つ。

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