【季節外れインフルエンザ】学級閉鎖相次ぐ 背景と対策は…(静岡県)

季節外れのインフルエンザの流行が続き、静岡県内の小学校では学級閉鎖となるクラスが相次いでいる。その要因とできる対策とは?

県が6月8日に発表した、定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、先週、1施設当たり2.22人。流行の目安となる1人を大きく上回り、増加傾向となっている。またコロナ禍前の2019年の同じ時期に比べても、2023年度は報告数が大幅に増えている。5月あたりから小学校で学級閉鎖が相次いでいて、静岡県は7日も、静岡市葵区と浜松市浜北区の2つの小学校で合わせて18人が感染し、学級閉鎖になったと発表した。

浜松市中区にあるクリニックでは、6月に入り、診察に訪れる人のうち、一日に1人はインフルエンザに感染しているという。

(坂の上ファミリークリニック 小野宏志 理事長)

「(インフルエンザの患者数は)この時期としては多い、例年夏でもインフルエンザの感染者は全くいないわけではないが、それに比べたら多い」「毎日1人か2人の方がおられますね」「確かに季節外れの流行と言ってもいいが、ここ数年インフルエンザの流行がなかった、5月8日からコロナが5類になり、マスクを着けなくなった人が増えたことで、この増加傾向は予想されていた範囲内ではないかなと思うので、慌てなくてもいいと思う」

さらにインフルエンザの感染拡大の一因として、免疫機能の低下の可能性も指摘した。

(坂の上ファミリークリニック 小野宏志 理事長)

「コロナ禍の間にインフルエンザが流行しなかったので、恐らく皆さん(インフルエンザに対する)免疫が無いと思う」「感染が広まっていなかったので、予防接種も十分ではないと思う、そういうことで免疫力が低下している中、マスクをしない生活が始まった」

県内のインフルエンザの感染状況について、県の感染症管理センター長は…。

(県 感染症管理センター 後藤幹生 センター長)

「いまの感染者は8割が20歳未満、半数以上が10歳未満の子ども」「インフルエンザの免疫を持っていない、あるいは下がっている子どもが10歳未満で多い」

子どもが感染した場合、まれに熱性けいれんを起こすことがあるため、ぐったりしているなど普段と違う様子があれば、医療機関を受診するよう呼びかけている。

一方、新型コロナやRSウイルスの感染者も増えているという。

(県 感染症管理センター 後藤幹生 センター長)

「インフルエンザが特に多いわけではなく、新型コロナも少しずつ増えている」「インフルエンザ、RSウイルスなどいろいろな風邪もはやっている状態が続いている」

体調が優れない場合は休みをとったりマスクをするなど、必要な対策を心掛けてほしいと話している。

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