「全部流された」興津川のアユ釣りピンチ 山間部では斜面崩落で通行止めも【台風2号・静岡記録的豪雨】

台風2号の接近に伴う記録的豪雨で土砂災害などの被害が発生し、静岡県内各地に深い爪痕を残しました。発生から1週間が経とうとするいまも、住民の生活に影響が出ています。

国内有数のアユ釣りスポット、静岡市清水区の「興津川」です。興津川では5月20日、アユ鮎釣りが解禁となりましたが、このアユ釣りがいま、危機的な状況となっています。

<興津川非出資漁業協同組合 前澤元次組合長>

「2022年の9月に台風15号で崩壊した所を仮復旧してくれていたが、(最近の)豪雨で全部流されてこんな状態になった」

興津川は2022年の台風15号で土砂や流木の流出により大打撃を受けました。復旧を目指していたところのさらなる悲劇…。豪雨の影響で流れ込んだ大量の土砂は、アユのエサとなる石についた苔をキレイに洗い流してしまうのです。

<興津川非出資漁業協同組合 前澤元次組合長>

「この石は、石そのものの状態。ここにけい藻という苔が繁殖すると茶色くなる。その茶色くなった苔をアユが削って食べる」

エサ不足は深刻で、アユの生育が悪く、縄張り意識を持たないため、本来であれば良く釣れるエリアにも全く釣り人がいない状況です。地元の漁協は川のコンディションの回復を祈りつつ、6月、7月と稚アユの放流を予定しているということです。

一方、浜松市の山間部にも影響が。台風2号の接近に伴う記録的豪雨で浜松市天竜区龍山町の山の斜面が崩落。国道152号線の一部が通行止めとなっていて現在、迂回する措置が取られています。

山の斜面が崩落したのは、浜松市天竜区龍山町の秋葉トンネルの北約200m付近。迂回することで、もともとのコースよりも約1.5倍ほど距離が延びるということです。被害が大きいため復旧のめどは立っておらず、住民の生活にも大きな影響を与えそうです。

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