墓じまいの時代…「花の手間だけでも軽く」寺の隣にサブスク生花店「本当は行きたい」の声に応え=静岡

6月2日、静岡市内に特徴的な花屋さんがオープンしました。力を入れているのはお墓に供える花のサブスクです。

<竹川知佳記者>

「お寺の隣にオープンしたこちらのお店が始めたのはお墓に供える花のサブスクです」

2日、静岡市葵区にオープンした「花さくら」。この場所にあえて花屋さんをオープンしたのには狙いがあります。寺の隣という立地と花のサブスクを生かしたサービスに勝機を見つけたからです。月額1650円で、最大4束まで花を受け取れるサブスク「花パス」。静岡県内の13店舗が加盟するサービスに「花さくら」も仲間入りしました。

お墓の維持・管理の問題は県内でも年々、深刻さを増しています。

<牧之原石材 影山晃社長>

「子どもたちに負担をかけたくないと考える人がとても多い。息子や娘が都会に就職してそのまま帰ってこない、地元に戻ってこない人がとても多くなっていて、自分たちの代で墓じまいをしたいという人が増えてきた」

お墓から遺骨を取り出し、墓石を解体して更地に戻す「墓じまい」。墓じまいの一連の作業を受け付ける牧之原石材は2022年の1年間で120件の墓じまいを請け負いました。5年前と比べると、その数は倍以上に増えたといいます。

「子どもたちに負担をかけたくない」と考える親世代。その一方で、「花さくら」が若者にヒアリングしたところ、「本当は墓参りに行きたい」という声が一定数あったということです。せめて供える花の手間だけでも負担を減らすことができれば…。それが「花さくら」を開店した理由です。

<花さくら店員 望月あいりさん>

「すぐにお花を持って、お墓の方に行って、お墓参りもできるよっていう風にさせていただいています」

<来店客>

「墓参りとか全然行かないですけど、こういうのがあると、お墓参り行こうかなって気になりますよね」

日本人が古来、大切にしてきた墓参り。新しい付き合い方が生まれつつあります。

<松龍院 木村知明住職>

「実際、造花とか増えておりますので、この機会に生花、お花とお線香とお水を用意していただいて、お墓参りに来る機会が増えてもらえればよいと思う」

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