シャフタールが、イスラエル代表FWマノー・ソロモン(23)をフリートランスファーで狙うトッテナムに警告を与えている。
ソロモンは2019年に母国マッカビ・ペタティクバからシャフタールに完全移籍で加入。以降は前線の主力として活躍してきたが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響によって今シーズンはフルアムに1年間のレンタル加入。公式戦24試合5ゴールの活躍を見せていた。
シャフタールと2024年まで契約を残すソロモンは、今夏にウクライナのクラブに復帰することが既定路線だが、同選手はイングランド残留を希望しているという。そして、ここ最近ではトッテナムが獲得に動くとの報道が出ている。
国際サッカー連盟(FIFA)は、前述の軍事侵攻後に「選手の地位と移籍に関する規則」を改訂。この規制変更により、ロシアかウクライナのどちらかの国で雇用されている外国籍選手が同地域を離れることを希望した場合、一方的に契約を停止することが可能に。
そして、FIFAは先日にこの特例措置を2024年夏まで延長することを発表しており、ソロモンが移籍を希望した場合、獲得を狙うクラブは実質フリートランスファーでの獲得が可能となる。
シャフタールを筆頭にウクライナとロシアのクラブは前述のFIFAの決定を不服として控訴を行ったものの、スポーツ仲裁裁判所(CAS)はFIFAの決定を支持。現在はスイス連邦裁判所への上訴、欧州委員会にも控訴している。
そういった状況の中、シャフタールでCEO(最高経営責任者)を務めるセルゲイ・パルキン氏は『ESPN』で、仮にトッテナムがソロモンをフリートランスファーで獲得に動いた場合、法的措置を講じると牽制している。
「私はソロモンと彼の代理人に連絡を取り、彼を再び我々のクラブに迎え入れたいと伝えた」
「私は『チャンピオンズリーグの全試合に出場でき、スターティングイレブンに入ることができる』と言ったが、彼は復帰を望んでいない。私は彼がイングランドに残ると考えている」
「最終的に、彼がどこへ行くのか、私には分からない。いずれにせよ、彼がトッテナムに行くのであれば、我々はこの訴訟でトッテナムと法廷で対峙するつもりだ。すべては単純な状況になる。それは不当利得のように聞こえる」
「想像してみてほしい。我々はこのプレーヤーに大金を払っているのに、最終的にはトッテナムがタダで彼を獲得するということを。我々のクラブにとっては不公平だ。我々は間違いなく法廷に行き、自分たちのために戦うつもりだ」
さらに、パルキン氏はトッテナム以外にもFIFAの特例措置を利用して自クラブの選手の獲得を狙うクラブに対しても同様の警告を発している。
「移籍金を支払わずに我々のプレーヤーと契約しようとしているクラブにメッセージを送りたい。シャフタールは金銭的利益を得て富を得たプレーヤーやクラブに対して、不当利得の訴えを起こすだろう」
「シャフタールを犠牲にして私腹を肥やしているこれらのクラブは賠償金を支払う義務があると我々は信じている。それらのクラブは我々のプレーヤーと契約する際に自分たちが何をするのか理解すべきだ」