野村萬斎さん、長男・裕基さん 復元した高砂染の衣装をまとい高砂神社で能「高砂」披露 兵庫

狂言「末広かり」で果報者を軽妙に演じる野村萬斎さん=高砂神社

 兵庫県高砂市高砂町東宮町の高砂神社で8日、能「高砂」の公演があり、人気狂言師、野村萬斎さん(57)の長男裕基さん(23)が、復元した明治時代の高砂染の衣装をまとって舞台に立った。萬斎さんも狂言のおめでたい演目「末広かり」を披露し、親子で盛り上げた。(笠原次郎)

 一般社団法人あうん(高砂市)の主催。会場は約560人の観客で埋まった。萬斎さんは、使用人「太郎冠者(かじゃ)」に扇子を買いにゆかせる果報者(お金持ち)を熱演。間違って別の物を買ってきた太郎冠者とのコミカルなやりとりで笑いを誘った。

 長男の裕基さんは「高砂浦の者」として、松枝模様の上に松ぼっくりなどがあしらわれた高砂染の衣装をまとい、縁起が良いとされる同神社の「相生の松」のいわれなどを解説した。高砂染が大好きだという公務員の女性(26)=加古川市=は「裕基さんが実際に舞台で着ているのを見て感激した。高砂染の良さをもっと多くの人に知ってもらえたら」と話していた。

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