時代と逆行、家事時間の男女差が拡大した滋賀県「非正規雇用の女性多い」

滋賀県

 滋賀県民が1日のうちに家事や育児などに費やす時間の男女差が、10年ぶりに3時間を超え、拡大したことが、2021年の社会生活基本調査で分かった。全国の男女差が約2時間半と縮小傾向にある中、滋賀では拡大に転じた。

 調査は、生活時間の配分などを調べるため総務省が5年ごとに実施している。21年の調査は、県内で新型コロナウイルス緊急事態宣言が解除された直後の10月に約1700世帯を対象に行われた。

 家事と介護・看護、育児、買い物に費やす時間を合計した「家事関連時間」は、滋賀県は男性51分、女性3時間56分で、前回16年の調査時より男性は5分、女性は15分それぞれ増えた。男女の差は3時間5分で、前回の2時間55分から10分増え、前々回11年の3時間1分よりも拡大した。

 家事関連の内訳は、男女とも「家事」の時間が最も長く、男性24分、女性2時間49分だった。男女間で「家事」は2時間25分(前回2時間15分)の差があったが、「介護・看護」は2分の差(同3分)、「育児」は18分の差(同21分)と、わずかに縮小していた。

 生活時間の使い方は、男女とも「睡眠」が3割強で最も多くの割合を占めたが、男性は「仕事」20.4%、「休養・くつろぎ」8.3%と続くのに対し、女性は11.8%の「家事」が2番目、10.1%の「仕事」が3番目だった。男性の「家事」は1.7%で、割合の多い順で10番目だった。

 家事関連時間の全国平均は、男性は54分で前回より9分増えたが、女性は3時間32分と6分減っている。この結果、男女差は2時間38分(前回2時間53分)に縮小している。

 結果について、県立男女共同参画センターの佐保田ます美所長は、県内では女性の非正規雇用の割合が全国平均より高いとし、「コロナ禍で男性も在宅時間が増えたはずだが、家事は女性という役割分担が固定化しているのではないか」と指摘した。

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